石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第一章 制度法規

第三節 司法

牢獄は、の初期に在りては、之を城中に置かれたるが如し。寛永五年八月の金澤町中定書に、『御城中に有之籠番の事、如有來町中として可相勤。然ば御分國中の者に於ては、其者の一族並村中として賄可申。若他國者又は賄可仕樣無之者、御公事場より被入置者の義は、公事錢之内を以、賄料可相渡。又御目安場より被入置者の義は、過怠銀之内を以、賄料可相渡。右之外に、賄方無之籠舍人有之ば、稻葉左近・堀三郎兵衞切手次第、町中より賄可申事。』といひ、同十四年三月の定書にも、亦同じく之を載せたるにて知るべく、稻葉左近と堀三郎兵衞とは金澤町奉行なるべし。この獄は慶長二十年の金澤定書に、お坂籠番の語あるを以て、城中尾坂門の内に在りしを知るべく、後には之を公事場の境内に移しゝなり。