石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第一章 制度法規

第二節 祿制

下免を給せらるゝ與力の中、寄親附與力と稱せらるゝ者にありては、年寄又は人持組の士がその知行を割きて與力に與ふるものなるが故に、己の受くべき上免と、與力に與ふる下免との差なる一歩、即ち與力知草高の百分の一に該當する定納・口米は、之を寄親たる年寄又は人持組の士の所得とせらる。與力知を給する土地の加越能三國に於ける割合及び所附は、寄親の隨意に決する所にして、與力明知も亦自己の知行所の内何れの地なりとも、自由に撰定して上り知となすことを得べく、その明知に對する一歩免も亦寄親に給せらる。與力明知とは、例へば今枝氏は知行一萬四千石にして、内三千五百石を與力知と定めらるゝも、實際に於いてその全額を給する人員の與力を召抱ふることなきを普通とし、末には千百六十石を受くる與力を有するに止れるが故に、殘餘二千三百四十石の知行所は、之をに上納せるものにして、この二千三百四十石は即ち與力明知なり。藩士中、横山(藏人)及び多賀の二家に在りては、寄親附與力と同性質の同心を有すべき義務あるが故に、その同心知に對する一歩免の定納・口米は、亦寄親に給せられたり。寄親より與力に分與する知行所附の例は、次に掲ぐるが如し。宛名の與力藤澤三九郎は、知行百五十石を受くるものとす。