石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第三編

第一章 制度法規

第一節 職制

人持に次ぐを平士とし、定番御馬廻・御馬廻・組外・御大小將・御奧小將・御表小將の諸組に別る。定番御馬廻・御馬廻・組外の諸士は合はせて三品の侍と稱す。又定番御馬廻・御馬廻・御大小將の組頭を定番頭・御馬廻頭・御小將頭といひ、凡べて之を三組頭とも稱し、各御番頭ありて之に副たり。而して組外・御奧小將・御表小將には御番頭あれども組頭なし。平士の食祿の微なるものは切米取・扶持取あり、知行末に五十石より二千五十石に及び、人員千四百を數へたりき。又平士に准ずるものに新番組あり。初め人持以下平士の子弟より採用したるものにして、切米三十五俵七人扶持を給するを定法とす。但し新番組は幕府に對しては歩として屆出らる。故に時としては新番歩と稱せらるゝことあり。儒者・醫者・茶堂頭・坊主頭も亦平士並の待遇を受く。平士中に就きて選任せらるゝ勤役の主要なるもの左の如し。

 諸      頭
  定  番  頭    定番御馬廻御番頭   定 番 頭 並    御 馬 廻 頭
  御馬廻御番頭     御馬廻頭並      御 小 將 頭    御大小將御番頭
  組  頭  並    御 槍 奉 行    町  奉  行    魚 津 在 住
  今石動氷見城端支配  新  番  頭    御  歩  頭    大  組  頭
  御 持 弓 頭    御 持 筒  頭   御 先 弓 頭    御 先 筒 頭
  金澤御留守居番    江戸御留守居番    物  頭  並    聞     番
  江戸御廣式御用    御奧小將御番頭    御奧小將横目     御表小將御番頭
  御表小將横目       組外御番頭      小松御馬廻御番頭   御  横  目
  御  使  番    御臺所奉行      御細工奉行      頭     並
  御中小將組頭([後世 闕職])   御中小將御番頭([後世 闕職])
 諸 頭 兼 役
  御近習御用      奧 御 取 次    御  用  人    御算用場奉行
  宗 門 奉 行    御判物方御用     御省略方御用     兩學校方御用
  御射手裁許      御異風裁許      御領國鐵炮奉行   三州盜賊改役([能登越中改 方後世闕職])
  二御丸御廣式御用   金谷御廣式御用    喧嘩追掛物役     諸向御入用方取調理方御用
  御旗奉仕([後世 闕職])     御儉約奉行([後世 闕職])    御貸銀奉行([後世 闕職])    銀札方御用主附([後世 闕職])
 平 士 五 奉 行
  御 馬 奉 行    御普請奉行      御作事奉行      割 場 奉 行
  會 所 奉 行
 御 近 習 役
  御 膳 奉 行    奧御納戸奉行     御 近 習 番    御書物奉行
  書 寫 奉 行    御 書 物 役    南御土藏奉行
 諸 士 諸 奉 行
  御預地方御用     改 作 奉 行    定檢地奉行      表御納戸奉行
  御武具奉行      御弓矢奉行      御鐵炮奉行      玉 藥 奉 行
  内作事奉行      江戸御作事奉行    外作事奉行      小作事奉行
  板 批 奉 行    呉 服 奉 行    料 紙 奉 行    大  奉 行
  諸方御土藏奉行    金入立奉行     役 銀 奉 行    出銀請拂奉行
  小 拂 奉 行    堂 形 奉 行    御普請會所道具調奉行 御普請會所道具渡奉行
  割場道具渡奉行
 遠所諸奉行諸役
  宮腰町奉行      小松町奉行      所口町奉行      魚津町奉行
  高岡町奉行      境  奉  行    加州郡奉行     礪波射水郡奉行
  新川郡奉行     能州郡奉行     宮腰御詰米奉行    本吉湊裁許
  宇出津山奉行     吉久御詰米奉行    新庄金山裁許     能美郡代官
  所口代官      東岩瀬御代官     新川郡之内御代官   別宮口留御用
  木滑口留御用     河原山口留御用
 諸場御横目
  公事場御横目     御算用場御横目    御普請會所御横目   御作事所御横目
  會所御横目      割場御横目      學校御横目
 平 士 諸 役
  御勝手方御用     二御丸御廣式御用達  金谷御廣式御用達   江戸御廣式御用人
  御年寄中席執筆    京都御屋敷詰人    大坂御屋敷詰人    三十人組頭
  御 茶 堂 頭    御 坊 主 頭

年寄以下平士に至るまでは、總稱して之を御眤近の侍ともいひ、或は御目通以上とも稱せらるゝものなるが、次の與力以下にありては、直接藩侯に拜謁することを得ざる階級に屬す。

安政三年版袖珍武鑑(上)と金澤武鑑(下) 金澤市岸秀實氏藏