石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第六章 大聖寺藩治一斑

七月幕府大聖寺藩に命じて、東叡山の戍を援けしむ。この地もと富山藩及び高知の守備する所なり。是に於いて馬廻組頭安井助太夫・足輕頭池田數右衞門等、部下を率ゐて江戸に往けり。初め幕府は、譜代諸侯の家臣をして江戸の諸口に戍し、入府者の旅符を檢せしめき。時に水戸の老臣某領邑より來りて道を千住に取りたりしに、酒井大學頭の家臣等之を檢し、旅符頗る疑ふべきものありとして拒んで入れざりしかば、市民誤りて賊の江戸に侵入せるものありしなりと傳へ、府下爲に騷然たりき。是を以て幕府は遽かに諸口の戍兵を増すに至りしなり。