石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第六章 大聖寺藩治一斑

利昌人と爲り君侯の器あり。曾て江戸邸の庭園を修めんと欲し、人をして之が經費を計らしめしに、頗る巨額を要し到底その支辨する能はざる所なりき。而も利昌の之を希望すること甚だしかりしを以て、木村九左衞門等爲に謀りて、毎年内帑の資を割きて蓄積し、數年を經て金百三四十兩に達したりしに、利昌はその成功將に近きにあらんとするを喜べり。然るに偶米價低廉にして諸士大に困窮するに會したりしかば、利昌は直にこれを散じて彼等に頒たしめき。是を以て諸士皆その志の厚きに感じ、大に儉約を實行して負債を生ぜざることを得たりしといふ。