石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第六章 大聖寺藩治一斑

大聖寺藩前田利治に初る。利治加賀藩主第三世前田利常の第三子にして、母を徳川秀忠の女天徳院夫人とす。幼名宮松丸。その生誕は元和四年に在るも月日を詳かにせず。唯この年八月六日越中埴生八幡に産前の祈禱を命じたる事實あるが故に、それより以後に在るを知り得べきのみ。五年四月十七日夫人江沼郡敷地天神社に神寳及び御神樂代を奉る。後に利治がこの地の領主となりしもの、亦奇縁と言はゞ言ふべきなり。
しき地天神御まつり付て被遺覺
 一、すみあかなしぢ     壹 つ
  此 内
  かゞみ一おもてなしぢいゑ(いえ)
  たゝうかみ    三つい
  まゆつくりつゝみ 一つい
  まゆつくり    五つい
  ひいなはうこ   二十二
 一、小  袖   [ぬいはく ねもじ]   壹かさね
 一、とちやう   と ん す   一  つ
 一、とちやう   き  ぬ   一  つ
 一、し と ね   に し き   一  つ
 一、千  疋          御はつお
      以 上
    元和五年卯月十七日                 つ  ぼ  ね
〔菅生石部神社文書〕