石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第九節 版籍奉還

九月二十四日金澤藩は、無組扶持人十村・扶持人十村を廢して史生加郷長棟取となし、平十村を史生加郷長となし、新田裁許を史生加郷長次列とし、同月民政寮・會計寮の事務を渾一分類して新たに民政所・會計所を置き、之を郡治・市治・營修・堤防・開業・租税・通商・會計等の諸係に別ちしが、更に閏十月に至り民政・會計二所の別を止め、廳直轄として聽訟・土木・學校・會計・租税以下の諸係を設け、同時に郷長棟取を里正棟取、郷長を里正、郷長次列を里正次列とせり。同月二日從士人庶民と相婚することを得ざる制ありしを廢し、二十九日には令して、將に兵部省令に準據して佛式兵隊を編制せんとするを以て、先づ大坂兵學寮に模倣して城中二學塾・兵營を設置し、士卒の年齡十八歳より三十五歳に至るものを募集選拔し、各その才幹と體力とに應じ、或は入塾して上下士官の學を習得し、或は入營して運動射撃の術を訓練せしめ、子弟有志の輩も亦その志望に隨ひて入塾人營を許可すべしとし、十一月には學制改革して中小學校を區別し、和漢洋三學を併用し、士民共に同一の學制によりて教授するの法を立て、又廳の派出所加賀小松能登の所戸・輪島、越中高岡・小杉・魚津に配置し、正税・雜税・聽訟・戸籍・土木の吏員を駐在せしめたり。