石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第七節 北越戰爭

半藏金に在りし青地隊は、七月二十九日未明花立峠に移り、長藩干城隊の半隊と協同守備せしに、妙見口の官軍が長岡に向かひて進撃するものゝ如く、所々の村落に盛に火災の起るを見たりき。是に於いて青地隊は、大斥候一分隊に半司八里佐太夫・斥候役疋田佐吉郎を添へ、長藩と共に栖吉村に到らしめ、同村に在りし長岡製藥所の硝石三十俵を鹵獲せり。次いで花立峠に殘留したる二分隊も亦小司山口東二郎に率ゐられて來り、共に長岡に侵入せしに、既に官軍の之を陷れたる後なりしを以て轉じて筒場村に出でしに、薩は此の地に在りて炮列を布き、四屋・百束・大黒の敵に對して猛射しつゝありき。因りて青地隊は薩を助け、側面より突撃して敵を潰走せしめ、夕五時に至りて兵を福島村に收む。青地隊の一分隊にして尚花立峠に在りしものは、深夜麻生田村に至り、次いで比禮村の間道を守り、又本隊に附屬する分司大屋和左衞門の一炮門は、妙見村を經て六日町・十日町方面に進みしも、散又退却せしを以て、瀧谷村の要地に炮壘を築き、薩・大垣と共に之を守れり。