石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第七節 北越戰爭

七月二十六日晝八半時、浦瀬を守備したる長藩の干城隊成願寺の營に來り、東片貝等諸村に於ける官軍の守備兵が悉く背進したることを告げしを以て、吉崎半司はその地を棄てゝ森立峠に還りしが、暫くして森立峠も亦危險に陷り、屢使を遣はして參謀の指揮を請へり。然るに參謀等、森立峠が頗る緊要の地なるを以て、官軍の悉く撤退するまで之を支持すべきことを命じ、次いで今井久太郎の分隊・松本の分隊・大垣の小隊等續々として來り援けしが、二十七日の曉天に及び參謀福原和勝は青地隊をして三田村に退却せしめき。この時陣嶺の兵も亦熊取村の臺場に退きたりしが、地廣く人尠かりしを以て、福山村の津田十之進隊より應援を得、二十八日朝その陣地を長藩に讓りて田代村に至り、青地本隊と合して薄暮半藏金に入れり。而して吉崎半司の率ゐたる教導兵は半藏金に於いて青地隊と分かれ、妙見口より小千谷・柏崎を經て、八月八日金澤に歸りたりき。