石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第五節 征長の役と南越の陣

二十一日降人武田耕雲齋永原甚七郎等三將に請ふ所あるを以て面接せんことを求む。三將これを諾し、本勝寺に至りて耕雲齋に會見せり。耕雲齋曰く、某等元來珍襲する所の一貴重物あり。今方に死に瀕して之を託する所を知らず。幸にして卿等によりてこれを一橋侯に奉るを得ば、以て意を安んずるに足る。願はくは某等の請を容れよと。甚七郎等その情を察し、之を受けて翌日慶喜に致せり。耕雲齋の託せし所、果して何物なりしかを明らかにせずといへども、恐らくはその素願を訴ふるの書なりしなるべし。