石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第五節 征長の役と南越の陣

二十二日是より先浪士葉原に來降せしもの既に三百人を超え、その地又之を置くの所なきを以て、永原甚七郎は赤井傳右衞門・不破亮三郎と共に、彼等を收容するの設備に關して相議する所あり。遂に敦賀寺院に送りて拘禁するに定め、之を慶喜に稟告してその同意を得、一面には傳右衞門をして歸山仙之助・神田清次郎を隨へて新保驛に赴き、耕雲齋等に會して、幕議浪士の降を容れ、これを我が陣に拘留すべきを命じたることを告げしめ、且つ新保が多數の士卒を置く能はざるを以て、將に敦賀に移さんとすることを傳へしかば、耕雲齋等は加賀藩周旋によりて願意の達するに至りたるを謝せり。次いで傳右衞門等浪士の兵器を收めしに、浪士銃炮・弓槍・甲冑・旗幟を集め、且つ各自の佩刀をすら脱して之を交付せり。