石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第五節 征長の役と南越の陣

十二月二十八日連恭又總督に至り謁す。總督乃ち之を饗し、賜ふに紅色戎服地を以てせり。因りて加賀藩の諸隊は慶應元年正月三日以降歸途に上りへ連恭も亦七日禪林寺を發し、小に乘じて宇品に着し、十一日には發機丸に搭し、十四日兵庫に至る。その日飛船を傭ひて安治川より大坂に入り、十五日淀川を上り、十六日建仁寺に歸れり。而して他の諸隊も亦二十一日に至りて悉く歸著せしを以て、連恭は翌日を發し、二月朔日金澤に入りしに、齊泰は時服二領を與へてこれを賞し、後七月朔日齊泰京都に在りし時、再び備前祐定の裝刀を贈りて軍功に報いたりき。

 先般長州討手爲御名代遣候處、遠路え出張別而大儀に被思召候。依之御刀一腰被之候。此段可申達旨、依御意此御座候。恐惶謹言。
    七月朔日慶應元年)                     山崎守衞永成 在判
                             岡島左膳一孝 在判
                             成瀬主税正居 在判
      長 大隅守殿
〔長氏家譜〕