石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第四節 元治の變

是より先、老臣本多播磨守政均・村井又兵衞長在二人は、久しく政事の樞機に與ることを得ざりしが、慶寧の將に京師に赴かんとせし時、政均從士の列に加らんと欲したりしも、奧村伊豫守榮通が世子の傅たりしを以て自ら請ひて隨ふに及び、その意を果すこと能はざりき。然るに慶寧の退後、榮通は前田直信と共に忽ち勢力を失ひ、政均と長在とは藩政の衝に當り、公事場奉行多賀源功・公事場與力内藤誠左衞門をして、退の事に參與したる諸士裁判せしめ、十月十八日以後不破富太郎千秋順之助以下漸次その刑を定めらるゝに至れり。榮通も亦十九日加判の職を免じて閉居を命ぜられ、その他單に從行の列に在りしのみなるも措置當を得ざりしとの理由により譴責せられしもの四十餘人。その中頭役以上に班するもの二十一人を算し、唯同志中永原恒太郎廣瀬勘右衞門とは、既に病歿せしを以て罪を問はずとせられたり。

 切    腹        慶寧附大小將組   不破富太郎
 切    腹        明倫堂助教     千秋順之助
 切    腹        人持組大野木將人弟 大野木仲三郎
 切    腹        料 理 人     青木新三郎
 流    刑        慶寧附大小將頭   大野木源藏
 流    刑        慶寧附物頭     堀四郎左衞門
 流    刑        使   番     久徳傳兵衞
 生    胴        青山將監附與力   福岡 惣助
 刎    首        定番歩士組     小川 幸三
 永世主人預入獄       [年寄横山三左衞門 給人]   野口 斧吉
 永    牢        [人持組大野木將人 給人]   高木 守衞
 永    牢        金澤町人      淺野屋佐平
 永    牢        同心柴田喜太夫附籍 駒井 躋庵
 閉    門        青山將監附與力   福岡 文平
 公事場禁錮        儒   者     石黒圭三郎
 公事場禁錮        [大小將組岡野判兵衞 第三子] 岡野外龜四郎
 永    牢        町 醫 者     谷村  直
 閉    門        大小將組      岡野判兵衞
 逼塞、後公事場禁錮    六組歩士横目    行山康左衞門
 逼    塞        御預地方用     瀬尾 餘一
 譴    責   遠藤 誠摩  山森權太郎  湯原 平馬  藤懸十郎平
          馬場清太夫  杉山小隼太  嶺平左衞門  篠原勘左衞門
          杉本美和介  原 小左近  山路九郎太夫 北川寛兵衞
          山崎九左衞門 山崎幸五郎  上阪 丈夫  水越八郎左衞門
          奧村助三郎  今村源兵術  原田又右衞門 小谷練太郎
          澤田 義門