石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第四節 元治の變

是より先山森權太郎は府中に於いて前田直信に會したりしを以て、先づ海津に急行して直信より聞く所を報じ、八月八日直信も亦來りて齊泰の命を慶寧に傳へ、九日別に内旨を家老松子大貳に致せり。當時海津に在りては、慶寧の退したる事情を諒とせず、將に之を追窮譴責する所あらんとすと聞き、從行の諸臣皆憤慨して止まず、或は紛擾を生ずるの虞ありき。是を以て慶寧は、八月三日先づ諭旨を下して衆心を鎭撫せんとしたりしが、直信の海津に來り謹愼の命を傳へたる後に於いて、亦第二の諭告を發せしめたりき。