石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第四節 元治の變

既にして長藩は、幕府が優柔にして攘夷を斷行せざるを以て、親征の典を擧げ給はんことを朝廷に請ひしに、天皇は先づ大利に行幸したる後決行し給はんとし、八月十五日齊泰を召し給ひしも、齊泰は之を辭し奉れり。然るに薩長藩の過激なるを喜ばず、急に朝議を覆し、十八日長藩の堺町門の宿衞を解きその藩士の入を停めしかば、都下頗る騷然たりき。因りて朝廷は事變の生ぜんことを慮り、諸藩の兵を召して警戒に當らしめしに、加賀藩の隊長岡田隼人は部下を率ゐて禁闕に宿衞し、二十四日京師の戒嚴を解かるゝに及びて邸に歸れり。