石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第三節 錢屋五兵衞

錢屋一族裁判の際公事場の留書たりし早川儀三郎の談に曰く、河北潟置毒の爲に數村の漁民は活計の途を失ひしのみならず、藩侯の食膳にも上るべき魚類を有毒ならしめたる五兵衞等の罪状は、決して重大ならざるにあらずといへども、必ずしも死を以て當つべきにあらず。是を以て當局の吏、適當の刑を裁量して藩侯の指揮を請ひしに、治獄尚不完全なりとの理由により侯より却下せらるゝこと數次に及びたるを以て、漸次加重するの止むなきに至りたりき。葢し幕府より何等かの内示を得たるによるものゝ如しと。