石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第三節 錢屋五兵衞

越前の人佐々木千尋の談に曰く、同國三國港に與平といふ者ありて、初め同港宮腰屋の手代たりしが、資性極めて商機に敏なりしかば、その主家を去りたる後獨力奮鬪して富豪となれり。千尋甞て之を訪ひし時、その家に十數個の時計とエレキトルと稱する電氣治療器とあるを見、如何にして此の如き珍器を藏するやと問ひしに、錢屋が密貿易によりて得たるものを購入せるなりと應へたりと。