石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第三節 錢屋五兵衞

傳者或はこの際藩士篠原主殿以下十一人が、先に五兵衞等と謀を通じて不正の利を貪りたること發覺して、悉く切腹を命ぜられたりとするものあれども、そは全く架空の談たるに過ぎず。但し馬廻組の士兒島五郎右衞門等が、嘉永五年十二月十四日逼塞以下の刑に處せられたるは、實に五兵衞が新田開拓を出願せし際請託によりて便宜を與へたるによる如く、此等の事實を誤りて世に誇張流布せられしものに外ならざるなり。

                御馬廻頭、御省略方御用    兒島五郎右衞門景好
 御手前儀、重き役儀仰付置候處、役儀も不顧御郡方之者ども抔爲立入、不心得之趣有之躰、別而近年被仰出も有之候處不埒之至。依而本役兼役共被指除逼塞仰付候段被仰渡
                御先筒頭、二御丸御廣式御用  安田新兵衞益新
 新兵衞儀、改作方御用勤中新開方之儀に付取組之趣有之、不埒之至候。御糺茂可仰付處、其段は御用捨、本役兼役共被指除逼塞仰付
                物頭並、改作方御用      上月四郎左衞門以義
 御手前儀、役向勤方思召候に付、本役兼役共被差除遠慮仰付
                組外御番頭、表御納戸方御用  津田兵三郎
 右兵三郎儀、出入町人と親み不心得之趣有之、不思召候に付本役兼役共被指除遠慮仰付
                頭並、會所御用        鈴木清之丞
 右清之丞儀、御勝手方改作方御用在勤中種々取組之儀共有之躰、不埒之至に候。御糺も可被仰付候處其段は御用捨、本役兼役共被指除、組外へ被加、逼塞
                御馬廻御番頭、改作方御用   河合清左衞門祐之
 清左衞門儀、兼役向勤方思召に付、本役兼役共被指除、指扣。
                定番頭、御判物方御用     松平往來康敬
 御手前儀、先役中不思召儀有候に付、本役兼役共被指除
                御馬廻頭、經武舘督學     不破紋左衞門有親
 御手前儀、被思召、本役兼役共被指除
                [御持筒頭、御勝手御用、 御作事方御用專務]    山崎守衞永成
 御手前儀、不思召儀有之候に付、本役兼役共被指除
                組外、内作事奉行       寺尾甚藏
 右甚藏儀、先役中不埒之趣有之候に付、役儀指除遠慮
〔錢屋五兵衞處刑一件〕