石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第五章 加賀藩治終末期

第三節 錢屋五兵衞

是より先加賀・能登沿海の廻船を以て業とする者、皆大坂以西中國・九州に至るを目的となし、未だ東北方面に航するものあらざりしが、五兵衞の父は始めて南部・津輕・函等に至り、五兵衞が木屋より歸るに及び、父の所有せし船舶と主家に於いて練磨せる商略とにより、更に蝦夷各地に取引を開拓せり。偶は領内に於いて松前産の干鯡を肥料とするの禁制を解きしかば、五兵衞は此の機に乘じ自家の所有船を悉く松前に廻航せしめ、連りに多量の干鯡を買入れて巨利を博せり。