石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第四章 加賀藩治停頓期

第三節 風教作振

寛政九年忠僕久七旌せらる。久七幼より孝行を以て聞えしが、年二十五にして金澤の醫須貝玄徹の家に僕となれり。然るに玄徹多病にして常に蓐に臥せしかば、家道日に衰へ、病客の治を求むるものあるも藥石を備ふるの資を有せざるに至れり。久七之を憂へ、百方力を盡くして玄徹の業を失はざらしめ、暇あるときは隣里に傭作し、その得る所を悉く主家に奉じたりき。是の如きもの三十餘年に及びしかば、是の歳春全二兩を賜ひ、六月更に加賞して五枚を賜はれり。