石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第四章 加賀藩治停頓期

第一節 大槻騷動

前田重靖吉徳の第四子にして、第九世の主なり。母は立花侯の臣石川氏の女善良院。重靖享保二十年十一月八日金澤に生まれ、童名を嘉三郎といひ、延享四年五月十一日諱を利見と稱す。寛延二年三月初めて江戸に出で、寳暦元年十二月二十八日將軍家重に謁し、從五位下上總介に叙任す。三年四月七日兄重凞の嗣となりしが、八日重凞卒したるを以て、五月十八日襲封を命ぜらる。六月四日將軍の偏諱を賜はりて重靖と改め、正四位下左近衞權少將加賀守に叙任し、同年九月二十九旦享年十九歳を以て卒し、十月五日發喪す。諡して天珠院嘯月仁勇といひ、天徳院に葬る。

前田重靖畫像 侯爵前田利爲氏藏