石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第四章 加賀藩治停頓期

第一節 大槻騷動

先に淺尾の犯状を自白するや、急使を金澤に發したりしが、七月十七日に達したるを以て、直に眞如院に監視を附し、二十一日金谷殿の廣式續きに縮所を構へて之を幽し、御徒以下數人をして警護せしめき。次いで側用人宮永數馬・長瀬五郎右衞門等交々之を質したりしが、眞如院は毒を淺尾に託せしことなきを主張せり。然るに眞如院の居室を檢して所持の書類を押收するに及び、毒藥に關する證據を發見すること能はざりしも、朝元の書翰を得たるを以て、反覆鞫問して遂に眞如院朝元と密通せる事實を明らかにし、こゝにこの裁判を終決したりき。而して眞如院淺尾との間に如何の關係ありたるか。毒を置けるを眞なりとするも、その目的は果して重凞を害してその所生利和を立つるにありしか等の諸問題に對しては、毫も觸るゝ所なくして止めり。