石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第三章 加賀藩治恢弘期

第六節 社會種々相

かく士人の救濟と待遇とに關するの努力は實に大なるものありしも、之によりて遂に徹底せる効果を生むに至らざりき。是を以て加賀藩士人は他の藩士に比して收人の頗る多かりしに拘らず、尚末に至るまで窮乏の域を脱する能はざりしが、これに反して庶民の貧苦に陷り流離せるものを救助する社會政策は、殆ど比類を見ざるまでに能く行はれて、荻生徂徠をしてその著政談に、加賀の國には非人一人もなしと嘆賞せしむるに至れり。