石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第三章 加賀藩治恢弘期

第五節 浦野事件

その後、これ等の罪囚に對する裁判は行はれたりといへども、孫右衞門等が如何なる答辯を試み、又如何なる白状を爲したりやは、今之を詳かにすること能はず。但し閏二月二十四日に至りて、孫右衞門・兵庫・掃部の三人が、『九郎左衞門(連頼)方より私共不屆之樣に申上候事に御座候へば、兎角之申分無御座候。私共如何樣に成共被仰付、九郎左衞門家相續申候樣に被成下候はゞ、難有忝可存候。』との一書を提出したるを見れば、彼等も亦相當の口實を構へて、徹頭徹尾主家の忠良たる體を裝ひたるものゝ如し。十村の輩に至りては、皆宇留地平八等に強ひられて檢地の中止を歎願したる事實を述べたるが、その口書は悉く今に存せり。
左に道閑及び池島の口書を掲ぐ。

久江村道閑起請文 男爵長基連氏藏