石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第三章 加賀藩治恢弘期

第四節 極盛極治

貞享元年正月綱紀、前名綱利を改む。綱利の名は、承應三年正月十二日營中に首服するに當りて、將軍の偏諱を賜ひ、祖以後襲用したる利字を加へたるものたりといへども、是より先承應二年十二月十一日細川越中寺の同じく綱利と稱したるありしのみならず、この成語が古典に根據を有せざるが故に侯の意に滿たざりしが如く、則ち林鳳岡に命じて別に選定せしむる所ありき。鳳岡因りて數種を擇びて之を上つりしが、綱紀・綱倫の二者を採り、更に旨を朱舜水に傳へて可否を諮ひしに、舜水は何れも不可なきを應へたりしを以て、侯は自ら綱紀と稱したるなりといへり。