石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第三章 加賀藩治恢弘期

第四節 極盛極治

既にして九月十八日綱紀小松城に往けり。小松は祖父利常菟裘を營みし所にして、綱紀利常の鞠育を受けたる恩義殊に深きものありしが故に、封國に就くの初先づその遺蹤を見んと欲したるなり。綱紀小松に至りし翌日、直に耆宿の臣九里正長を隨へて郊外淺井畷に赴き、二世利長の軍が丹羽氏と苦鬪したる戰蹟を探り、詳かに當時の事情を聞き、爾後金澤に在ること僅かに二旬にして、十月八日再び參覲の途に就き、廿五日を以て江戸邸に入れり。