石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第三章 加賀藩治恢弘期

第二節 前田利常の監國

竹田市三郎忠種は、初諱を忠次といひ、祿三千五百三十石を食む。利常の歸封するや忠種尚江戸に留りて城廓築造の殘務に從ひしが、既にして役を終へて途に上り、信濃に於いて使者の凶報を齎すに逢へり。乃ち急駛して十月十九日四小松に着し、城に登りて侯の遺骸を拜し、直に日蓮宗本成寺に赴きて自刄す。その偈に『靈恩難謝斷生命。鮮血淋漓濯梵天。四十三年閻浮夢。無明醒盡一時圓。』又歌に『君がいにし死出の山路の道芝もおもひきるにはさはらざりけり。』