石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第二章 加賀藩治創始期

第七節 大阪兩陣

慶長二十年(元和元)元旦利常は尚木野村に在りしが、二日秀忠岡山の陣に至りて新正を賀し、爾後屢將軍に謁し、又媾和條件に基づく大阪城破壞工事を巡見せり。同月二十一日戰役の事務略終りたるを以て、利常將士の功ある者を賞し、二十四日木野村を、發して京都本能寺に着し、二十七日には本願寺家宰下間少進の饗宴に列し、且つ能樂觀覽せり。蓋し前田氏の領國は一向門徒の巣窟たるを以て、特に之を厚遇して宗門の安全を希ひしによるなるべし。利常乃ち二十九日又能樂を奏せしめて之に報いたりき。次いで二月朔日利常を發して近江の和邇に至り、二日今津、三日越前疋田に宿し、四日今庄に於いて越前侯松平忠直の饗を受け、五日加賀大聖寺に泊り、六日を以て金澤城凱旋す。