石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第二章 加賀藩治創始期

第七節 大阪兩陣

原の戰後豐臣氏の上下は、その徳川氏に對する地位早くも舊の如くならざるに慊らざりしが、家康の征夷大將軍に任ぜられ、秀忠亦之を襲ぐに及びて益疑懼の念を抱き、海内の侯伯中故太閤の重恩を擔ひたるものに就きて、力を遺孤の爲に致さんことを勸奬したりしが、その最も深く望を屬したるは、秀吉が秀頼を託したる利家の子利長たりしこと、固よりこゝに言ふまでもなし。たゞ大阪方が利長にその交渉を開始したることの、果して何れの年に在りしかに至りては、少しく之を研究せざるべからず。