石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第二章 加賀藩治創始期

第六節 基督教の傳播

天正十五年秀吉九州を征す。時に南坊は播磨國明石の城主たりしが、又その軍に從ひ、基督教の諸大名と共に十字旗を陣頭に飜して大に勇名を顯せり。然るにこの役、偶秀吉基督教禁止を令し、伴天連等をして日を期して國外に去らしめたりしが故に、同時に命を南坊に傳へ、彼が改宗を肯ぜざる時はその領土を沒收して追放すべきを以てせしめたりき。南坊乃ち之に應へて、秀吉の爲にはその生命を捧ぐべきをも辭せずといへども、基督教は彼が幼時より信奉する所にして、到底之を捨つるに忍びずと答へしに、秀吉は大に怒り、遂にその領土を奪ひて彼が宣言を實行せり。