石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第二章 加賀藩治創始期

第四節 大聖寺淺井畷二役

八月朔利長三堂山を發して西進し、吉竹・本江・蓮代寺・三谷を經て木場潟の東を過ぎしに、丹羽軍の斥候の偵知する所となる。長重の將坂井與右衞門直勝之を聞き、櫻井源太の兵を湖上に放ち、古田五郎兵衞の隊を淺井口に出しゝに、櫻井・古田は水陸二道より進みて前田軍の進路を擾さんと欲し、中軍の既に去りて輜重の來るを望み直に攻撃を加へしが、輜重隊將富田重政は横山長知・山崎長徳等の援を得て之を撃退せり。利政等この機に乘じて敵を追撃せんとせしに、利長は之を止め、進みて江沼郡松山に次し、而して利政は加茂野に陣せり。是の日上國に在りては西軍、鳥居元忠の留守する伏見城を陷る。翌二日利長松山に在り、令を定めて之を軍中に布けり。

丹羽長重畫像 子爵丹羽長徳氏藏