石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第二章 加賀藩治創始期

第三節 前田利家の晩年

この年十二月十九日越中今石動の城主前田又次郎利秀歿す。享年二十六。利秀初の名は利次、利家の弟秀繼の男なり。利秀初め父と共に津幡城に居り、天正十三年また共に今石動に移りしが、同年秀繼の木船に轉じたる後は、獨り留りてこの城を守り、祿四萬石を食めり。曾て末森蓮沼・松井田・八王寺の諸職に從ひて功あり。次いで文祿二年利長に從ひて九州に赴きしが、軍中病に罹りしを以て、家臣篠島織部をして兵を督せしめ、國に歸りて遂に癒えざりしなり。利秀嗣子なく、その家即ち斷つ。