石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第二章 加賀藩治創始期

第二節 越中平定


 一、妻子御きもいり第一之事。
 一、さいし等ぬがし被申、此方へ同心之儀、以來いぶかしく思候はん由尤候。身上之儀には、親をきり子をきり候事もあるならひに候。其上貴老と我等間の事は、にわかの儀にあらず候。連々内々申通首尾候間、此度家を被相立候樣に尤候。殊に佐藏・神安(佐々成政・神保氏張)へ本知こと〲く被召放、御不足ふかく候へば、他のひはん有べからず候。其段可御心易候事。
 一、令同心上は、たれ〲表裏申候共、直に可相尋事。
 一、せいしの事は、何時にても筆もどみせに可給候。則渡し可申候事。
 一、其國越後へしたがへ(ひ)候時の本知を、藏介・神安手まへにとり入候由。尤之存分候。本意此節之事。
 一、當郡之内、相浦と申所、狩野など相違有間敷候事。
 一、石動の下、うなみ(宇波)をきりに可進候事。
 一、朝日山の下川きりに、かたをぼうしに、右の相浦くつろをさかい、上庄可進候。殊一萬石まで有まじきの由候。彌相違有まじく候事。
 一、五位庄事は、治部左衞門(富田景政)かたより懇に可申候事。
 一、其國無事に成候はん由、中々無及事に候へ共、萬一和睦に成候はゞ、其方本知行ほど進之、我等かゝへ可申候事。
 一、其方行歩かなはざるに付て、二人の息陣參被調、その方はゆる〱と有度由、心得申候事。
 一、その國一篇に申付候はゞ、要害無相違樣にとの事、心得申候事。
 一、賀州よりあき人つけ書中の由、其覺悟可仕之事。
 一、湯山之事、才覺專一候。如書付、則彼かたへ状を遣候。其方より被遣可給候。首尾被相合尤候。せんのせんと申は此所に候事。
 一、此儀おんみつ可仕事、心得申候。專一にて候事。
 右いづれも相違有まじく候。追而せいしの筆もとみせに、たしかなる人を可給候。直談にもくはしく申度候。委細は治部左衞門かたより可申候。以上。
                           賀    又
    七月四日(天正十三年)                      利   家 在判
      あ 右入參(阿尾右衞門人道)
〔拾遺温故雜帖〕
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