石川県立図書館/大型絵図・石川県史

石川県史 第二編

第二章 加賀藩治創始期

第一節 末森の戰

天正十二年八月二十八日成政先づその將佐々平左衞門・前野小兵衞二人に命じ、河北郡松根及び横根方面より前田軍朝日山を襲はしむ。時に朝日山は、壘柵僅かに成りたるを以て、士卒滯陣の準備を成さんとして金澤に歸りたるもの多かりしが、偶阿波加五郎左衞門・江見藤十郎が、城主村井長頼の安否を訪はんが爲こゝに來るありしかば、長頼は二人に託して、佐々勢の出動せることを金澤に報ぜしめき。利家之を開き、直に不破彦三勝光・種村三郎四郎・片山内膳延高・岡帶刀一吉等を率ゐて赴援せしに、越中軍は大雨に會して急攻する能はず、且つ利家の後卷したるを聞きて退却せり。利家乃ち長頼に賞詞を與へて金澤に歸る。