射水市新湊博物館/高樹文庫「石黒信由関係資料」

石黒信由関係資料

1「高樹文庫」のあらまし

 石黒信由の作製した絵図は、同時代の伊能忠敬にも劣らない正確なものでした。
 信由は、著書『測量法実用』に、自らの測量術の要諦を次のとおり記しています。
 ア.地図の骨組みとなる主要街道や海岸線に沿った道路、他国への道路などの距離と方位を測る
 イ.街道筋の所々に磁石を据え、遠方の山、島や岬など目印となる目標物への方位を測る
 現在、アは道線法と呼ばれている方法です。道路が大きく屈曲している地点から次に屈曲する地点までの距離と方位を順に測ります。距離と方位を野帳にメモし、持ち帰って定規と分度器を使って線をつないで作図します。
 イは交会法と呼ばれ、信由は誤差の修正によく用いました。複数の地点から同じ目標物への方位を測り、道線法で作図した地図上に、それぞれの地点から目標物への方位線を引くと、それらの交点が目標物の位置になります。交点に交わらない線は、地図に記載した地点の位置がズレているということになります。
 この2つの方法を組み合わせて正確な絵図を作製するに当たり、卓越した磁石術と和算・西洋数学の知識が活用されました。
 信由は、自身の磁石術をより正確なものにするため、磁石盤の改良に最も心血を注ぎ込み、高精度の磁石盤を開発しました。その他の測量器具にも精度と作業効率が向上する改良を施しました。