高岡市雲龍山勝興寺/文化財デジタルアーカイブ

宝物

[総論]

勝興寺の伽藍と本堂の修理と…

 重要文化財指定の十二棟は、経年による腐朽・雨漏り・傾斜などが著しく生じ、修理が急務となっていた為、第一期工事として本堂の修理を先年度迄に終了した。本堂は建立以降、明治四十年前後に大きな修理がなされていたので、今回は約九十年振り二回目の大修理であった。引き続き第二期工事として大広間ほか十棟の修理工事が、本年七月より既に進められ、全体としては二十年にもなる平成の大事業である。竣功後の偉容は想像に難くなく、江戸時代が彷彿とする境内として見事に甦るであろう。
 
 本堂の修理工事は、事業期間を平成十年七月より平成十七年三月迄の六年九ヶ月とし、工事施工は平成十年九月より平成十六年九月迄行なった。千名を超える事業運営・工事関係者の篤い熱意と高い技術により、無事竣功を迎える事が出来、竣功式は平成十六年十一月十九日、御遷仏法要は翌日に、大勢の参集者のうち厳粛に執り行なわれた。事業費は、十八億三百万円で、勝興寺の負担金の他、国(文化庁建造物課)と富山県(教育委員会文化財課)と高岡市(教育委員会文化財課)からの補助金を充てた。
 
 工事の修理方針は、破損部のみ解体して補修する半解体修理とした。解体と云っても、壊す訳ではなく再び元の姿に組立てなければならないので、丁寧に取り解(ほど)く作業である(もし破損がもっと著しい場合には全解体修理という手法を採る)。本堂の工事の特徴は、大規模建築である為、一般の文化財修理における通常の工法をその儘用いられない事項が幾つかあり、種々の検討や試行を重ねて、それぞれの対処法を考案しながら実施した点である。