昭島市デジタルアーカイブズ/あきしま 水と記憶の物語

大日如来修復の記録

■本文

1 当該文化財の現況

両光背・台座については、仕上げを除く他の修理作業を先年度までに概ね完了しているため、当項目は本体についてのみ記載する。
 
釈迦如来坐像
(本体)
▪左手第2,3,4指の各第2関節より先を欠失する。また第5指は第2関節の矧ぎ目が緩む。
▪左手首材の矧ぎ目(差込矧ぎ)が、やや緩む。
▪頭頂部から左右側頭部にかけて矧ぎ目が緩み、間隙を生じる。
▪頭頂部において、上記矧ぎ目に打たれた鉄釘が錆びて膨潤し、木部をもちあげる。頭頂(肉髻)中央には前後に走る大きな亀裂を生じ、一部割損、欠失する。周辺木部は鉄錆により炭化・粉状劣化する。
▪後頭部に矧いだ薄材が緩み、外れかかる。当該部周辺は螺髪が欠失し、膠木屎による拙劣な修理が施される。
▪後頭部髪際の別材矧ぎの螺髪1列は、矧ぎ目が緩み外れかかる。
▪3材矧ぎの底板のうち、中央1枚が外れ、厨子内に置かれる。同材は中央に大きな亀裂を生じる。残る2材の底板も一部で矧ぎ目が緩む。
▪像内(内刳り面)背面部中央において、地付から上方に向け約15㎝の亀裂(干割れ)を生じる。
▪表面に砂塵が厚く堆積し、尊容を著しく損ねる。
▪表面の弁柄漆塗漆箔層は剥離・剥落部が散見される。
▪金箔は各所変色し尊容を損ねる。特に面部、胸部下面、右前腕部下面等において顕著。
▪像底に貼られた布は虫蝕により細かい繊維に分断され、損傷が顕著。
▪像内において、矧ぎ目に打たれた鉄鎹が錆びる。周囲の木部も錆により炭化する。
 
阿弥陀如来坐像
(本体)
▪正面髪際における別材矧ぎの螺髪1列は、矧ぎ目がゆるみ外れかかる。額の左上部においては螺髪5個分が欠失し、帯状に木地が露出する。
▪頭頂部から左右側頭部(左右耳前)にかけて矧ぎ目がゆるみ、間隙を生じる。
▪差首部の矧ぎ目がゆるみ、襟首(首後半部)に大きな亀裂を生じる。このため頭部が前後にわずかに動く。
▪右前膊材および、右大腿部(側腰(そくよう)部)三角材の各矧ぎ目に亀裂を生じる。
▪表面に砂塵が厚く堆積し、尊容を著しく損ねる。
▪表面の弁柄漆塗漆箔層は剥離・剥落部が散見される。
▪金箔が各所変色し尊容を損ねる。特に面部、頸部正面(三道部)、胸部下面とその左右に続く上腕正面部において顕著。
▪像底に貼られた布は大きく捲めくれ上がり、虫蝕によって細かく分断される。