昭島市デジタルアーカイブズ/あきしま 水と記憶の物語

昭島消えた五つの鉄道

第5章 中神引込線

中神引込線 資料編

2 中神引込線地主陳情書(昭和四十四、四十七年。石川重雄「中神側線経緯」昭和六十一年)

 終戦間近かの混乱期に際し、国の一方的用途の必要から当時増産意欲に専念していた農民の農耕地を無断転用して短期間の間に鉄道を敷設し、昭和二十五年三月になって漸く鉄道局八王子管理部長松下丈夫を甲とし地主を乙として賃貸契約を結んだ青梅線中神側線は、其の後防衛施設庁の管下におかれましたが、賃貸料については年々上昇する物価に似合った支払いを受けておりましたので、地主一同異議なく要望通り調印して参りました。併し御承知の通り戦後早くも二十数年を経過し、食糧事情も好転して参りましたので農民の農地に対する感情も当時と異なるものがあり、国の用途も亦漸減の傾向にある現状を目撃する時、嘗ての契約書第二条の文面に危惧の念をいだくもので御座います。
 今回関係有志相はかり賃貸契約書第二条の「甲の都合により本契約が不用になった時は何時本契約を解除しても乙は別段の異議を申し出ないこととする」とありますが、右の条項を削除して、「但し、原形に復する事困難な場合は国に於いて賠償の責に応ずる」と御訂正願い度く関係者連署して御願いする次第です。
  昭和四十四年十二月二十日
            中神側線関係地主一同
防衛施設局長 殿