昭島市デジタルアーカイブズ/あきしま 水と記憶の物語

昭島の歴史

第Ⅰ編 昭島市の概観

第2章 昭島市の歴史的環境(かんきょう)

三 武士の時代の昭島市域

 一二〇五年に編まれた『新古今和歌集』には次のような歌があります。
 あふ人に問へど変わらぬ同じ名の
    幾日になりぬ武蔵野の原
           後鳥羽院下野
 この歌は、武蔵野を旅して、その広大さを体験した後鳥羽院の女房の歌です。会う人に、「ここはどこですか」とたずねると、何日たっても、「武蔵野ですよ」という答えがかえってきたというのです。「武蔵野の原はなんと広いことよ」とうたったものです。
 当時、武蔵野は、関東平野の大半を占める大平原でした。台地は水利が悪く、長い間、人がほとんど住まない荒地でした。そんな、広大な武蔵野の景観がよく分かる歌です。