昭島市デジタルアーカイブズ/あきしま 水と記憶の物語

昭島の歴史

第Ⅰ編 昭島市の概観

第2章 昭島市の歴史的環境(かんきょう)

一 有史以前

 昭島市のある武蔵野台地は、昔、海でした。昭島市のシンボルであるアキシマクジラがそれを物語っています。
 百六十万~百七十万年前の化石であるアキシマクジラは、昭和三十六(一九六一)年に、多摩川の河川敷から、たくさんの貝類やサメの歯の化石といっしょに発見されました。全長十六メートル余り、クジラの化石としては世界で初めて、ほぼ完全な姿で発見されました。
 実は、武蔵野台地だけでなく、日本列島が広く海の底だったのです。
 やがて、後に日本列島となる陸地が、じょじょに姿を現してきます。
 約三万年前から一万七千年前ごろまでの氷河期は、それまでも何回かあった氷河期の中でも、最寒冷氷河期といわれ、今よりずっと寒い気候でした。降った雨や雪はとけずに氷になりました。その結果、海に流れ込む水が少なく、海水面が、今より最大百四十メートルくらいも低く、日本列島はアジア大陸と地続きでした。富士山は噴火を繰(く)り返し、小石や灰をまき散らしました。関東地方にも火山灰が、風に運ばれて、厚く積もって層をつくりました。これが、関東ローム層と呼ばれる赤土の層です。
 武蔵野台地は、海底であったころの地層に、多摩川をはじめ、まわりの河川が運んだ土や砂が積もり、その上に火山灰の赤土や、草木をもとにする黒土の層が重なってできているのです。