日本ラグビーフットボール協会/日本ラグビー デジタルミュージアム

年代史・観戦記・その他資料

日本代表テストマッチ史

テストマッチ観戦記とテーブル

English 写真 機関誌
平成28年(2016)6月18日 G:豊田スタジアム R:ベン・オキーフ(NZ)
日本代表 13-26 スコットランド代表
 
 テストマッチ。勝利のみが善、スコアで上回ればそれでよい。スコットランドは有史以来、何百回と戦ってきたテストマッチそのままの攻防をまっとうした。万事に緩みはなく、「ほぼ必ず得点できる」PG選択を続けた。昨年のワールドカップ以来、たくましくなった日本ラグビーの抵抗は織り込み済み、ただ白星をつかめばよいとひたすらゲームを制御した。
 ジャパンは万事に過剰であった。ラックの争奪に人員を投じて激しく全身でぶつかり、計15ものP(1FK)を重ね、トライ阻止と見なされた意図的ノックオン(途中出場の松田力也)、モール崩し(FLツイ ヘンドリック)で2枚のイエローカードを突き出され、反則を得ては鋭く速攻を仕掛けてスタンドを喜ばせながら、そのうち複数回をみずからの反則で終えた。ただし、それが何もかも悪いわけではない。開始8分。ジャパンは、この夜の収穫、7番金正奎の見事な絡みでPを獲得、歯切れのよいパストランの光るSH茂野海人が迷わずクイックで攻め、頼もしきNO8、アマナキ・レレィ・マフィは加速力とストライドの幅をいかして突破、CTB立川理道へつなぎ、茂野-SO田村優-HO堀江翔太でインゴールへ躍り込んだ。過剰な速さの呼んだトライだった。
 ジャパンはどこかで、たとえばクイックネス、闘争心、低さのような領域で「極端」でなければ強豪国を破れない。問題は、選んだゲームプランのさなかの判断のズレ、さらにセットプレーの精度不足だ。攻守に浮かんだのは「ストラテジー(作戦計画)の意思統一がまだ足りない」という現実である。
 勝負の分かれ目があった。6点先行のスコットランドがアタックの後半キックオフ。右へ方向を定めると、14番のトミー・シーモアがダイレクトで捕球、怒涛のアタックで左ゴール前スクラムを獲得、トライへ結んだ。ジャパンは悪くないスコアで折り返したはずだった。なのに、いきなりの失点で心理的優位は消えた。
 収穫は、2年前、帝京と早稲田で大学のファイナルを争った若きFW、LO小瀧尚弘と金がともに力を発揮したことだ。
 堀江主将に両社について感想を求めたら「いいですね」と声を強め、現役学生の松田を含めて「2019年(のW杯日本大会)へつながる」と続けた。
No.566★327 リポビタンDチャレンジ2016 スコットランド代表第3回来日 第1戦
2016年6月18日 G:豊田スタジアム R:ベン・オキーフ(NZ)
日本代表13-26スコットランド代表
1稲垣 啓太(パナソニック)10161アラスデア・ディッキンソン
C2堀江 翔太(パナソニック)3102スチュアート・マキナリー
3畠山 健介(サントリー)3WP・ネル
4大野  均(東芝)1T14リッチー・グレイ
5小瀧 尚弘(東芝)1G15ジョニー・グレイ
6ツイ ヘンドリック(サントリー)3PG16ジョン・バークレー
7金  正奎(NTTコム)0DG07ジョン・ハーディー
8アマナキ・レレィ・マフィ(NTTコム)8ライアン・ウィルソン
9茂野 海人(NEC)1T0C9グレイグ・レイドロー
10田村  優(NEC)1G010ルアーリー・ジャクソン
11笹倉 康誉(パナソニック)1PG111ダミアン・ホイランド
12立川 理道(クボタ)0DG012マット・スコット
13ティム・ベネット(キヤノン)13ダンカン・テイラー
14パエア ミフィポセチ(NTTドコモ)141614トミー・シーモア
15松島 幸太朗(サントリー)15スチュアート・ホッグ
交代【日】松田力也(帝京大)⑮、内田啓介(パナソニック)、垣永真之介(サントリー)③、山本浩輝(東芝)⑥ 【ス】ローリー・サザーランド①、フレザー・ブラウン②、ショーン・マイトランド⑪、モリー・ロー③、デイビッド・デントン⑧、ティム・スウィンソン④、ピーター・ホーン⑬  シンビン=ツイ、松田(日)、ペナルティトライ1(ス)
得点:T堀江、G田村、PG田村2