日本ラグビーフットボール協会/日本ラグビー デジタルミュージアム

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昭和43年(1968)6月3日 ウエリントン
日本代表 23-19 NZ代表ジュニア
日本歴史的勝利
 
 日本協会は満を持して日本代表をNZ遠征に送り出した。私はこの遠征を、日本ラグビー国際化のスタートであり、現代ラグビーの出発点だったと位置づけている。
 前半2分NZ、PG成功0−3。3分NZモールから1FE[SOと同じ]ドーガンのショートパントをCTBオカラハンが取ってWTBがトライ(ゴール)0−8。7分NZのオフサイドで桂口PG成功、3−8。10分NZのTBパス攻撃を横井が猛タックル、こぼれ球を坂田が拾いコーナーにトライ、6−8。17分日本、右ラインアウトから左オープン攻撃、尾崎のゴロパントをFBメインスがミス、坂田が拾ってトライ(ゴール)、11−8。25分連続攻撃から尾崎のパスを横井がカットインで抜いてトライ、14−8。27分NZPG成功、14−11。35分日本ラインアウトから左に展開、横井がループで抜けて坂田が左隅にトライ、17−11で前半を終了。後半16分NZ、CTBオカラハンがパントFB萬谷がファンブルしたのをそのまま拾って中央にトライ(ゴール)、17−16。25分日本スクラムから右へ展開、カンペイで萬谷が抜け、伊藤がトライ、20−16。30分右ラインアウトから展開、横井が抜けて坂田が中央にトライ、23−16。34分NZラインアウトから展開してパンサーがトライ、23−19。
 日本ラグビー史に金字塔として刻み込まれる勝利はこうして生まれた。日本が研究開発したショートラインアウトの成功や、横井を中心にカンペイ、カットイン、ループなどがおもしろいように決まり、坂田、伊藤、萬谷が快走した。「接近、展開、連続」をキーワードとした大西ラグビー快心の勝利である。以下は監督を務めた大西鐵之祐の「寸評」である。
「我々はすべてこの一戦に賭けていた。それは勝つとか負けるとかではなく日本のラグビーの実力をためすゲームとして賭けていたのである。どう闘うかはいろいろと考えた。最後に結論としたのは次の三つである。①捨身でゆけば必ず勝てるという信念でプレーすること。②攻撃は今まで練習してきたことを自信をもって敢行すること。③相手の動きは5戦法しかないから、防御は冷静に相手の動きを見て、今はこれだと見極め忠実に防御網を敷き、タックルは捨身でやること。ゲームのペースとしては、相手は若いプレヤーなのだから、最初から変化プレーで臨み混乱させ、こちらのペースで最後までやり、立ち直らせないこと。徹底したこうした思想と意思決定がこの勝利をもたらしたものと思われる。(中略)みんな選手はよくやった。一生の思い出になる快心のゲームであった。無欲の勝利といえよう」(『機関誌』NZ遠征記念特別号、1968)。
 
No.51★25 NZ遠征1968第8戦
1968年6月3日 G:ウエリントン R:R.C.フェントン KO 14:30
日本代表2319NZ代表ジュニア
1川崎 守央(近鉄)1711C1A.ガーディナー
2後川 光夫(早大OB)682D.A.ペシニ
3猿田 武夫(東京三洋)3W.C.タぺス
4堀越  慈(エーコン)4T14G.A.ダーモディー
5小笠原 博(近鉄)1G15I.エリアソン
6井沢 義明(早大)1PG26B.ホームズ
7石田 元成(電電半田)0DG07I.ターリー
8石塚 広治(近鉄)8G.J.アレン
9大久保 吉則(近鉄)2T29I.N.スティーブンス
10桂口  力(九電)0G110J.P.ドゥーガン
11坂田 好弘(近鉄)0PG011D.R.パンサー
12横井  章(三菱京都)0DG012R.バージェス
C13尾崎 真義(トヨタ)13M.W.オカラハン
14伊藤 忠幸(リコー)14O.G.スティーブンス
15萬谷 勝治(トヨタ)15L.メインズ
交代【NZ】P.Whiting ⑧
得点:T坂田4、横井、伊藤、G桂口、PG桂口