日本ラグビーフットボール協会/日本ラグビー デジタルミュージアム

年代史・観戦記・その他資料

日本選手権史

日本選手権大会の歩み

写真
秩父宮
パナソニックワイルドナイツ 31-26 サントリーサンゴリアス●
 パナソニック 持ち前の固いDFと正確なゴールキックで、サントリーとの2強対決を制す
 
対戦日2021/05/23 (日) Kick off13:10
競技場秩父宮ラグビー場観客数4,668人
天候晴れ/微風グラウンド
状態
良い
ドクターMC:長谷川雅一、MDD:板根正孝、宿澤孝太
記録係佐藤克則
レフリー麻生彰久(日本協会A)sign
アシスタントレフリー
マッチコミッショナー陶久昌明sign
TMO藤実
サイティングコミッショナー三宅一
タイムキーパー会田彰
サントリーサンゴリアス
#Name(cm/kg/Age)Pos.
1森川由起乙(180/112/28) FW
2中村駿太(176/105/27)
3垣永真之介(180/115/29)
4トム・サベッジ(197/118/32)
5ハリー・ホッキングス(206/118/22)
6ツイヘンドリック(189/108/33)
7小澤直輝(182/103/32)
8ショーン・マクマーン(186/100/26)
9流大(166/71/28) HB
10ボーデン・バレット(186/92/29)
11江見翔太(180/93/29) TB
12中村亮土(178/92/29)
13中野将伍(186/100/23)
14中鶴隆彰(177/82/30)
15尾崎晟也(174/84/25) FB
16堀越康介(175/100/25) Re.
17石原慎太郎(181/105/30)
18セミセ・タラカイ(183/122/29)
19ジョー・ラタ(200/118/29)
20テビタ・タタフ(183/120/25)
21齋藤直人(165/73/23)
22田村煕(175/85/27)
23梶村祐介(180/93/25)

※背番号の白抜きはキャプテン

パナソニック ワイルドナイツ
#Name(cm/kg/Age)Pos.
1稲垣啓太(186/116/30) FW
2坂手淳史(180/104/27)
3平野翔平(178/120/27)
4ヒーナンダニエル(196/111/39)
5ジョージ・クルーズ(198/123/31)
6ベン・ガンター(195/120/23)
7布巻峻介(178/98/28)
8ジャック・コーネルセン(195/110/26)
9内田啓介(179/86/29) HB
10松田力也(181/92/27)
11福岡堅樹(175/83/28) TB
12ハドレー・パークス(187/101/33)
13ディラン・ライリー(187/102/24)
14セミシ・トゥポウ(189/98/21)
15野口竜司(177/83/25) FB
16堀江翔太(180/104/35) Re.
17クレイグ・ミラー(186/116/30)
18ヴァルアサエリ愛(187/115/32)
19長谷川崚太(188/100/28)
20大西樹(185/98/25)
21小山大輝(171/74/26)
22山沢拓也(176/84/26)
23福井翔大(186/101/21)
得点
HomeAway
前半後半前半後半
13T21
12G20
00PT00
00PG31
00DG00
719238
26合計31
反則
PKFKPKFK
50前半10
40後半40
90合計50

Home 交替/入替

種類時間背番号
交替前半32分4 → 19
交替後半0分13 → 23
入替後半5分3 → 18
入替後半16分2 → 16
入替後半16分1 → 17
入替後半16分6 → 20
入替後半21分9 → 21
入替後半21分14 → 22

Home 一時的退場

時間背番号内容
前半20分 → 前半23分4 → 19出血
前半32分 → 後半0分8 → 20HIA
前半36分 → 後半0分13 → 23HIA

Away 交替/入替

種類時間背番号
入替後半5分4 → 19
入替後半11分2 → 16
入替後半11分1 → 17
入替後半11分3 → 18
入替後半11分7 → 23
入替後半19分9 → 21
入替後半19分10 → 22
入替後半33分6 → 20

Away 一時的退場

時間背番号内容
前半26分 → 前半36分6 → 23HIA

Home カード/処分

種類時間背番号内容

Away カード/処分

種類時間背番号内容

得点経過 前半Kick off : サントリーサンゴリアス /後半Kick off : パナソニック ワイルドナイツ

前半チーム名#.Name
5分パナソニック13.ディラン・ライリーT0-5
6分パナソニック10.松田力也G0-7
14分パナソニック10.松田力也PG0-10
17分サントリ10.ボーデン・バレットPGx0-10
25分パナソニック10.松田力也PG0-13
30分パナソニック11.福岡堅樹T0-18
31分パナソニック10.松田力也G0-20
35分サントリ12.中村亮土T5-20
36分サントリ10.ボーデン・バレットG7-20
39分パナソニック10.松田力也PG7-23
後半チーム名#.Name
2分サントリ14.中鶴隆彰T12-23
2分サントリ10.ボーデン・バレットGx12-23
15分パナソニック18.ヴァルアサエリ愛T12-28
17分パナソニック10.松田力也Gx12-28
29分パナソニック22.山沢拓也PGx12-28
30分サントリ21.齋藤直人T17-28
30分サントリ10.ボーデン・バレットG19-28
33分パナソニック22.山沢拓也PG19-31
38分サントリ15.尾崎晟也T24-31
39分サントリ10.ボーデン・バレットG26-31
<特記事項>
【テレビマッチオフイシャル(TMO)判定】
・前半16分 サントリー(11)江見選手のトライ前のプレーでスローフォワード等についてTMO判定⇒パナソニックのオフサイドを確認し「ノートライ」の判定後サントリーボールで試合再開
・前半30分 パナソニック(11)福岡選手のトライ前にラインを出ていたかについてTMO判定⇒問題なしと判断しトライを認定

【HIA判定】
・前半26分パナソニック(6)ベン・ガンター選手のHIA判定は「陰性」と判断され前半36分に復帰
・前半32分サントリー(8)ショーン ・マクマーン選手のHIA判定は「陰性」と判断され後半0分に復帰
・前半36分サントリー(13)中野 将伍選手のHIA判定は「陽性」と判断され後半0分に交代


 最後のトップリーグとなった今年、チャレンジトーナメントの準決勝以降が日本選手権となった。有力外国人選手のひたむきなプレーにより各チームのレベルが大幅に上がり、トップリーグは大いに盛り上がった。特にNZ代表のSH T.J.ペレナラの入団したNTTドコモは、たった1年でチームが変貌した。監督が代わり練習も厳しくなったのだが、ペレナラをはじめとする外国人たちが、その練習に前向きに取り組み、日本人たちもひたむきに、それについていくことで体力、技術、そして意識レベルも向上した。しかもリーグ戦序盤の接戦をペレナラの指揮のもと何度も競り勝ったことでチームとして大きな自信をつけた。ドコモの躍進は「ペレナラ劇場」と言われるようになりラグビーファンは熱狂した。前年0-98で大敗していた神戸製鋼に対しても、後半の残り1プレーまでリードするという大健闘を見せた。他にも南ア勢がパワープレーで引っ張ったクボタ、豪州HB団が引っ張ったリコーなど躍進したチームが目立った。只、有力外国人選手が引っ張ったこれらのチームに対し、日本選手権決勝に残ったのはパナソニックサントリーであり、この2チームにもバレット、ケレビ、クルーズ、パークスなどの有力外国人はいたのだが、日本人選手のレベルが同様に高く、外国人たちと共に強いチームを形成しているという印象だった。
 決勝戦前半は、パナソニックが持ち前の固いDFと正確なゴールキックで23-7と大きくリードする。サントリーは従来通りボールを大きく動かす躍動感のあるラグビーに徹したが、勝負所でのインターセプトや、ミスも出て、前半は中村亮土の小パントによるトライのみ。一方のパナソニックは固いDFで堅実に試合を進め、相手が反則をすればSO松田が、難しいPGも決め、確実に点差を開いていった。そして敵陣に入ったチャンスボールを松田が、この日で引退する左WTBの福岡に見事な飛ばしパス。福岡は持ち前のスピードと巧みなランで中靏、バレットを見事にかわし左隅に飛び込んだ。彼のここ数年の努力と精神力が凝縮されたような見事なランとトライだった。
 後半に入るとサントリーも立て直し、開始早々1分以上ボールをキープしてプレーを継続し、最後はラックサイドを中鶴が飛び込んで、ノーホイッスルトライを返した。しかしこの日バレットのゴールキックは正確さを欠き、パナソニックの焦りを誘うことができなかった。パナソニックは15分、ゴール前のラックからバル アサエリ愛が飛び込んでトライを返した(28-12)。この後のコンバージョンキックの時、ゴールキックの成功率100%の松田の足がつり、失敗。その後松田は控えの山澤に交代したが、マイナスのイメージは全くと言っていいほどなかった。
 30分パナソニック野口のドリブルがサントリー マクマーンの足に当たり、そのボールをマクマーンが拾い、ホッキングズ、斉藤とつなぎ、ゴール下へ飛込み、サントリーは28-19と追い上げた。この後、パナソニックは松田に代わった山澤が確実にPGを蹴り込み、サントリーに流れを渡さない(31-19)。38分にようやくゴール前でラックを連取したサントリーは、中村亮土の飛ばしパスが尾崎に通りトライして、バレットのゴールも決まり31-26の5点差とした。残り時間僅かのキックオフ、サントリーはボールの確保だけを考え、全員で丁寧にプレーを継続した。オープンアタックからマクマーンが抜け出し絶好のチャンスとなったが、マクマーンは大外の江見へ飛ばしパス。しかし、この日絶好調だった江見が、これを落球し(残念ながら足がつっていたようだ)、パナソニックのスクラムから山澤が蹴り出しフルタイムとなった。
 昔から、強いスクラムと固いDF、それに確実なゴールキッカーがいれば負けることはないと言われてきたが、この日のパナソニックはまさにそのような内容で日本選手権を奪回した。敗れたサントリーも、持ち味の展開ラグビーを存分に見せ日本ラグビーのレベルの高さを証明して見せた。今日の試合を見たラグビーファンは、来年から始まる新リーグが更に盛り上がることを予感したはずだ。