港区/デジタル版 港区のあゆみ

新修港区史

第二編

第七章 教育・文化

第一節 学校教育

(一) 戦後教育の展開

 これまでみてきた戦後教育改革から昭和三十一年の時期(いってみれば公選制教育委員会制度の時期)は、戦争遂行の人的資源養成に落ちこんでいった戦前教育の刷新の上に、民主教育の礎を築いていく時期であった。そのために学校施設を戦災から復興し、新制中学校に代表される新学制を完全実施すべく建設することは、区政の一大事業であった。
【港区教育研究会】 そして戦後のこの「混乱期」に子どもたちのかかえているさまざまな困難にたち向かって清新な教育実践の試みがなされた。こうしたなかで、昭和二十三年九月には港区教育研究会が発足し、実践の発表・交流などの催しを行なった。
【区立幼稚園】 区立幼稚園は、従来の四幼稚園(西桜・麻布・南山・中之町幼稚園)が昭和二十一年度中に再開園され、翌二十二年四月からいずれも港区立の幼稚園として再発足し、昭和三十年代に増園となるまで、長い間この四園だけであった。(増園についての経過は第二節を参照。)
【学校建築】 戦災校舎の復興、新制中学校の用地獲得・校舎建築がほぼ完了したのに続いて、校舎の増改築、雨天体操場建築、特別教室の整備へと漸次課題は移っていった。
 
表11 戦後初期の学校新改築一覧
 昭和二十一年度
学校名教室坪  数構  造工事金額着手年月日竣工年月日
 
芝浦小学校


 七


二一一・九二〇

 
木造平家建砂付
ルウフイング

五三九、一八九

昭和
二一・一二・ 一

昭和
二二・ 三・三一


 
 昭和二十二年度
学校名教室坪  数構  造工事金額着手年月日竣工年月日

御田小学校





一二一・五〇〇
三〇・二五〇

木造平家建
スレート葺

一六四、七八五
七九三、三七五
昭和
二二・一〇・二〇
二三・ 一・二〇
昭和
二二・一二・二八
二三・ 三・三一
神応 〃一四四・二五〇九五八、一六〇二三・ 一・二〇二三・ 三・三一
一二二九六・〇〇〇一、九一六、三二〇

 
 昭和二十三年度
学校名教室坪  数構  造工事金額着手年月日竣工年月日

本村小学校

一〇

二四七・五七五

木造二階建瓦葺

二、四三九、〇〇〇
昭和
二三・一一・二六
昭和
二四・ 三・一九
青南小学校
(焼失跡修理)
一四三九九・八七〇鉄筋コンクリート
三階建
七九八、〇〇〇二三・ 三・ 一二三・ 五・二〇
芝 小学校二一九・二一〇木造平家建瓦葺二、〇三四、一五七二三・ 八・一二二四・ 三・三一
赤坂 〃二二九・〇〇〇木造二階建瓦葺
ラス張モルタル塗
二、三三五、九五五二四・ 二・一五二四・ 三・三一
城南中学校二一一・〇〇〇木造二階建瓦葺二、〇九〇、〇〇〇二四・ 二・一四二四・ 三・三一
高松 〃二三三・五〇〇  〃二、三六七、四三二二四・ 二・一四二四・ 三・三一
四九一、五四一・一五五一二、〇六四、五四四

 
 昭和二十四年度
学校名教室坪  数構  造工事金額着手年月日竣工年月日

港 中学校


一一


三六九・〇〇〇


木造瓦葺二階建
ラス張モルタル塗

四、四二四、〇〇〇

昭和
二五・ 三・一五

昭和
二五・ 五・二五

高松 〃二七〇・七〇〇  〃三、一五一、九〇〇二五・ 二・二四二五・ 五・二五
城南 〃一〇三二一・二五〇  〃四、二二〇、七八〇二五・ 二・二七二五・ 七・一四
神応小学校一九〇・二九〇  〃二、二九〇、〇〇〇二五・ 二・ 七二五・ 五・一九
御田 〃二二八・六二九  〃二、六七七、〇〇〇二五・ 二・ 六二五・ 四・一八
赤坂 〃八四・八六〇  〃九八六、〇〇〇二五・ 一・二八二五・ 五・一九
芝浦 〃一〇三一一・〇三〇  〃三、五九五、四〇〇二五・ 二・二七二五・ 五・一八
五三一、七七五・七五九二一、三四五、〇八〇

 
 昭和二十五年度
学校名教室坪  数構  造工事金額着手年月日竣工年月日

神応小学校





一四五・九六〇


木造瓦葺二階建
ラス張モルタル塗 

一、八二二、〇〇〇

昭和
二五・一〇・二五

昭和
二六・ 五・三〇

御田 〃一六四・七九〇  〃二、二六六、〇〇〇二五・一〇・一九二六・ 三・三一
芝  〃一八三・三六〇  〃二、三六五、三四四二五・一〇・二四二六・ 五・三〇
芝浦 〃四八・四〇〇  〃六二〇、〇〇〇二五・一〇・二一二六・ 三・三〇
港 中学校一九四・三六〇  〃二、七一六、〇〇〇二五・一〇・二一二六・ 三・三〇
高松 〃一九一・三六〇  〃二、六〇〇、〇〇〇二五・一〇・二八二六・ 五・三〇
城南 〃一三九・六六〇  〃一、八五〇、〇〇〇二五・一〇・二八二六・ 四・二七
三三一、〇六七・八九〇一四、二三九、三四四

 
 昭和二十六年度
学校名教室坪  数構  造工事金額着手年月日竣工年月日

高松中学校





一九四・二七〇


木造瓦葺二階建
ラス張モルタル塗

四、一五〇、〇〇〇

昭和
二六・一二・一四

昭和
二七・ 三・三一

城南 〃一二七・三七〇  〃二、七三八、〇〇〇二六・一二・一五二七・ 三・二三
朝日 〃三七七・六八〇  〃七、八二六、九〇〇二七・ 一・二九二七・ 五・三一
赤坂 〃一九三・一三〇  〃三、八三八、〇〇〇二六・一二・一四二七・ 三・一三
高輪台小学校九三・二九〇  〃四、六六四、〇〇〇二六・一二・一九二七・ 五・一六
二七九八五・七四〇二三、二一六、九〇〇

 
 昭和二十七年度
学校名教室坪  数構  造工事金額着手年月日竣工年月日

高陵中学校


一〇


四二九・六六〇


木造瓦葺二階建
ラス張モルタル塗

八、九二一、〇〇〇

昭和
二七・ 五・二〇

昭和
二七・ 八・三一

朝日 〃一九二・三一〇  〃四、五四四、五七五二七・ 七・ 五二七・一二・ 四
飯倉小学校三一六・〇一四  〃六、三一一、三〇〇二七・一二・一二二八・ 三・二〇
高陵中学校二一五・九六〇  〃七、六二三、〇〇〇二八・ 三・一四二八・ 六・二〇
三〇一、一五三・九四四二七、三九九、八七五

 
 昭和二十八年度
学校名教室坪  数構  造工事金額着手年月日竣工年月日

芝浦小学校





二五八・七二〇


木造瓦葺二階建
ラス張モルタル塗

七、〇五〇、〇〇〇

昭和
二八・ 九・二八

昭和
二九・ 三・ 三

青山 〃二一〇・九四〇  〃五、二五〇、〇〇〇二八・一一・一六二九・ 二・一七
赤坂中学校一二四八〇・六四〇  〃一一、四八〇、〇〇〇二八・一一・二五二九・ 四・ 六
神応小学校一一四・七六〇  〃三、一九七、〇〇〇二八・一二・ 三二九・ 三・二三
港 中学校一一七・一〇〇  〃三、〇九八、〇〇〇二八・一二・ 四二九・ 三・二〇
城南 〃一三三・六八〇  〃三、四九八、〇〇〇二八・一二・ 四二九・ 三・三〇
飯倉小学校一七九・八七二  〃四、六四八、五〇〇二八・一二・ 四二九・ 三・二二
高松中学校一二一・二五〇  〃二、九九三、八〇〇二八・一二・ 四二九・ 三・二二
御田小学校
(雨天体操場)
八〇・〇〇〇鉄筋コンクリート
平家建
二、五二五、〇〇〇二八・一二・二八二九・ 四・ 九
芝 小学校一五・三五〇木造瓦葺平家建
ラス張モルタル塗
四五〇、〇〇〇二九・ 二・ 二二九・ 三・二〇
朝日中学校一六・〇〇〇  〃三六九、〇〇〇二九・ 三・一〇二九・ 四・ 五
城南 〃一六・〇〇〇  〃三六九、〇〇〇二九・ 三・一〇二九・ 四・ 五
五一一、七四四・三一二四四、九二八、三〇〇

 
 昭和二十九年度
学校名教室坪  数構  造工事金額着手年月日竣工年月日

朝日中学校



五三

木造モルタル塗
二階建

一、五五五、二〇〇
昭和
二九・一二・一五
昭和
三〇・ 三・二四
高陵 〃一二六  〃四、二三〇、〇〇〇二九・一一・三〇三〇・ 三・ 九
赤坂 〃四八  〃一、二五〇、七〇〇三〇・ 一・一一三〇・ 三・三一
南海小学校一五新築  六三五  〃一七、二三六、〇〇〇二九・一二・ 七三〇・ 三・三一
御田 〃一三六  〃四、〇二二、〇二〇二九・一二・ 一三〇・ 三・一〇
飯倉 〃六八  〃三、五二〇、〇〇〇二九・一二・ 四三〇・ 三・一三
東町 〃新築  二八二  〃八、四三八、四〇〇三〇・ 三・ 七三〇・ 七・ 四
神応 〃一五七  〃二、八二〇、〇〇〇二九・ 四・ 八二九・ 七・ 八
三光 〃
(雨天体操場)
九三鉄骨リブラス
モルタル塗平家建
三、一四五、〇〇〇二九・ 八・一七二九・一一・一四
青山中学校二四改造  九三七鉄筋コンクリート
三階建
三、二四七、〇〇〇二九・一二・一〇三〇・ 一・二八
六五二、五三五五〇、四六四、三二〇

 
 昭和三十年度
学校名教室坪  数構  造工事金額着手年月日竣工年月日

芝浜中学校

一六

新築坪数 五二一
改築坪数 二四二

鉄筋コンクリート
造四階建

三五、一七三、五六〇
昭和
三〇・一一・一五
昭和
三一・ 五・一三
城南 〃四八木造モルタル塗
二階建
一、二三、七〇〇三〇・ 五・ 二三〇・ 八・ 九
高松 〃四八  〃一、八九〇、〇〇〇三〇・一〇・一八三一・ 一・二五
朝日 〃四八  〃三、〇八〇、〇〇〇三〇・一〇・一七三一・ 一・二四
東町小学校二二五  〃七、八〇二、〇〇〇三〇・一〇・一一三一・ 二・ 七
南海 〃五二  〃一、五七二、〇〇〇三〇・一〇・一八三一・ 一・一五
芝浦 〃一四九木造モルタル塗
二階建
四、七一五、〇〇〇三〇・一一・一五三一・ 二・一三
城南中学校
(雨天体操場)
一六〇鉄骨リブラスモ
ルタル塗平家建
五、五四七、八〇〇三一・ 三・一四三一・ 六・一一
高松中学校
(雨天体操場)
一六八  〃五、五六六、〇〇〇三一・ 三・一三三一・ 六・一〇
南海小学校
(雨天体操場)
一一七  〃二、八八九、〇〇〇三〇・一二・二八三一・ 三・三一
芝浦 〃
(雨天体操場)
一一一  〃三、五八〇、〇〇〇三一・ 三・一四三一・ 六・一一
赤坂 〃
(雨天体操場)
九一  〃二、六六四、〇〇〇三〇・一二・二六三一・ 三・三一
神応 〃
(雨天体操場)
一〇七  〃二、八七七、〇〇〇三一・ 一・一五三一・ 三・三一
北芝中学校二二改造   九九六木造モルタル塗
二階建
六、六五〇、三六〇三〇・一一・ 一三一・ 一・一六
五四三、〇八三八五、二三一、七二〇

 
表12 小・中学校教室、児童生徒増加状況
 教室増加状況(昭和三一・九・三〇まで)
区 分二二年
現在
増    加    数三一年
現在
二三年二四年二五年二六年二七年二八年二九年三〇年
小学校



中学校
570



18
37



12
24



29
17



16
4



23
6



24
△7
(危険校舎
取コワシ分)
25
26
33



32
10



44
693



224

 
 児童生徒増加状況
区 分二二年
現  在
増    加    数三一年
現  在
二三年二四年二五年二六年二七年二八年二九年三〇年
小学校
中学校
15,025
1,863
2,173
1,420
2,791
1,630
2,923
972
1,909
535
57
1,015
441
974
1,435
485
771
602
27,291
11,183

 
 こうして小・中学校とも、一応普通教室の整備をみる一方、港区では小学校児童数の漸減傾向が生まれ、中学校も、昭和三十四年度までは同じく漸減傾向にあり、特別教室の整備・充実とともに施設内容の向上に力を注ぐことができるようになってくる。
 教育条件の、質・量両面での充実をおしすすめ、子どもたちの「教育を受ける権利」(憲法二六条)を充実させる方向で、この時期の改革の努力にふくまれている熱意と創意性をどう発展させていくかが、その後の課題であったといえよう。