大網白里市/大網白里市デジタル博物館

石井雙石 解説

作品解説

  • 益寿延年
  • 石井雙石
  • 昭和43年


 中国清代の書画家、呉昌碩(1844‐1927)のような豊肥な線で、吉語の「益寿延年」を重厚な書風で揮毫したもの。「益寿」も「延年」も寿命を延ばす、長生きする、人の長寿を願うという意味で、語順を逆にして「延年益寿」とすることもある。「延年益寿」は、中国戦国時代の宋玉(紀元前290‐紀元前223)の「高唐賦」に見られる言葉である。数え年99歳まで生きた雙石は、晩年、吉語を好んで書いたが、本作も長寿を願う意図から揮毫したものであろう。落款に「戊申孟冬去日、九十六叟雙石」とあることから、戊申(昭和43年・1968)の孟冬(旧暦十月)に書かれたことがわかる。落款印には、「碩鉥(じ)」白文印、「不二山客」朱文印が用いられる。右下方部には、空いてしまった空間を埋めるように、「桑下弄兒孫」(桑下に兒孫を弄ぶ)変形朱文印が捺される。
 
解説: 髙橋 佑太(二松学舎大学専任講師・博士(芸術学)) 2019.3
 
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