東金市/東金市デジタル歴史館

解説

第Ⅳ章 近代東金文化資産

 東金には国から登録がなされた建造物が2箇所あります。この文化財登録制度は、近年の都市の発展や生活様式の変化により、維持が困難になっている近代等の建造物を守り、地域の資産として保存・活用を促す目的として設定されたものです。
 中には、内装の一部を改装し、ホールやレストラン、資料館や交流施設などとして利用されている文化財もあります。現在は、美術工芸品にも登録範囲が拡大されています。
登録の基準については、原則は建築後50年を経過したもので
 【国土の歴史的景観に寄与しているもの】
 【造形の規範となっているもの】
 【再現することが容易でないもの】
 の3つのうちどれかを満たしたものとされています。地域で広く親しまれているものや、そこでしか見られない特別な形状をしたものなどが広く登録の対象となっています。
 
【八鶴亭】
登録年月日:平成21年5月14日
所在地:東金市東金1406
登録基準:国土の歴史的景観に寄与するもの(2棟 宿泊館・ビリヤード棟)
     造形の規範となっているもの(3棟 新館・本館・浴室棟)
 
 八鶴亭(旧八鶴館)は、東金旦那と呼ばれる大店の商人や九十九里地域の網元の寄合場に端を発し、明治18年に旅館として創業しました。伊藤左千夫や北原白秋、島崎藤村などの文人や著名人が数多く訪れたとされています。
 現存する建物の多くは、大正から昭和初期にかけて建造されたものです。そのうちの5棟(本館・新館・宿泊館・浴室棟・ビリヤード棟)が国登録有形文化財となっています。
 高さが最も高い新館を中心に棟高や屋根形式の異なる本館と宿泊館の3棟が並び立ち、八鶴湖の景観に彩りを添えています。浴室棟とビリヤード棟は敷地の南側に位置しており、ビリヤード棟は和風建築群において、石造り風の外壁と赤瓦が印象的です。

八鶴亭外観


八鶴亭より望む八鶴湖

【多田屋】
登録年月日:平成11年10月14日
所在地:東金市東金1135
登録基準: 造形の規範となっているもの(2棟 本社社屋・店舗)
 
 多田屋は江戸後期の文化2(1805)年創業の県下で最も古い書店の中の一つです。
 本社社屋は、元々は東金税務署として明治末期ごろに建てられたものです。のちに税務署の移転に伴い多田屋本社の社屋として使われるようになりました。平面はコの字型で、中央には玄関が設けられており、2階のテラス状のスペースと屋根の中央に設けられた三角形の屋根窓が端正な意匠を形づくっています。
 店舗は、社屋に入る道路の角にあり、昭和初期に建築されたものと推測されます。腰壁は切石積みですが、溝が入った柱型や持ち送りにより張り出した軒などは石造りを模したもので、全体からは古典的な雰囲気が見受けられます。

多田屋本社社屋


多田屋店舗