東金市/東金市デジタル歴史館

東金市史

総集篇五

第九篇 方言

(二) 東金方言語彙(ごい)

意味備考(使用地域その他)
アオサ南の一部
アカ1.野 2.田 3.畑の3つの意味に使う。また、同じ語を「仏」「銅」等の意味にも使う。1. 2. 3.の意味では東および北で,4. 5の意味は中央および東の一部で使う
アガット昇り口(上り口)(あがるところ)北の一部
アカメシ赤飯(せきはん)のこと東の一部「コワメシ」ともいう。
アカモノ大角豆台地の一部
アクタイ悪口東の一部。江戸方言「悪態」からきたか。
アグリあぐり網・あぐり船海辺。語源としては「網繰」「揚繰」の両説がある。
アシタテ(アシツギ)脚立(きゃたつ)南の一部。北の一部
アソ(ス)ビテ放蕩者中央。
アッポヤ便所海辺。「アッポ」は糞の意味の幼児語である。「ヤ」は家のこと。
アテバコ硯箱中央 「アタリバコ」のなまり。
アテバチ摺鉢中央 「アタリバチ」のなまり。
アトメ後妻海辺 「メ」には雌,女,妻の意がある。
アネサマウリ甜瓜(まくわうり)中央,海辺。
アバジャケルあまえる北部。
アブ東の一部,南の一部。
アビルおよぐ中央。水をあびる意からか。
アニャフニャあいまいなこと一般。「あやふや」のなまりか。
アマチャ(アマッチョ)唾液北の一部,南の一部。
アミヒキ漁師海辺。「網引き」であろう。
アラク(アラクレ)荒地北の一部。
アメンボ(アメンボー)氷柱一般。
アレ暴風雨中央。「荒れ」であろう。
アレマー(アレマヨー)呼びかけことば一般。「あらまあ」にあたる。女性語。
アンコ土方一般。
アンヤン兄さん中央。
アンゴス北の一部。
イカイ(イカイコト)沢山一般。本来は「いかめしいこと」をいう。
イシ(イシコイ)いたずら(乱暴なこと)海辺の一部。北の一部。
イサンガエリ里開きのこと海辺と南部。
イシコンボ粗暴な児北の一部。
イシナゴ(イシナンゴ)踝(くるぶし)中央と南部。
イソッパタ海岸海辺。
イッケン海辺の一部。
イッチャ一把,一束海辺。
イドグレ井戸側海辺の一部。
イナ(イナゴ)南部。
イモミ手拭北の一部。
イリ収穫中央の一部。
イリコ(イリコミ)入江海辺。
ウエンホウ西の方海辺。
ウシロボクト後頭東の一部。
ウスバ庖丁北の一部。「薄刃」の意で,本来は菜切庖丁のことをいう。
ウタテイあわれなこと北の一部。古語「うたてし」から出た語。東下総で使われる。
ウノカタ西の方中央の一部。「卯」は東をさすが,どういうわけか。
ウマノカタ北の方中央の一部。「午」(うま)は南をさすが,どういうわけか。
ウミップチ(ウンプチ)海岸海辺。「ウミノフチ」のなまり。更に略して「ウンプチ」となる。
ウッケルのせる北の一部。
ウミッペタ(ウンペタ)海岸海辺。
エガミ馬のたてがみ東の一部
エシテイいやな北部。「イシテイ」ともいう。東下総でよく使われる。
エテ(エデ)一般。この語は猿の忌詞(いみことば)として古くから使われていた。
エテモノ生殖器海辺。
エンザ柿のへた一般。
オーカゼ暴風北部,東部。
オーゴト(ダ)大変(だ)一般。
オカ西海辺。
オカイコギモノ絹のきもの中央の一部。
オガミタテ「おだ」のこと「オダカケ」ともいう。
オカンジン乞食一般。下総地方でも使う。
オキャンおてんば娘中央。南の一部。
オジクソ臆病者一般。「クソ」は軽蔑した言いかた。
オシャラクおしゃれ南部。下総でも使われる。
オシンボけちんぼ海辺。
オスモジすし中央。女房詞として古くから使われた。
オタフクマメそらまめ一般。本来はそらまめの実の大きいものをいった。各地で使われる語。
オチャッピーおしゃべり娘一般。「御茶挽き」から転じた語で,江戸時代に使われた。
オチョマ人形北部。
オッカケオニ鬼ごっこ海辺。
オテ(デ)ヤ台所一般。
オト(ド)一般。
オニゴト鬼ごった海辺。「鬼事」は古語である。
オスシはたおりむし海辺の一部。
オバコ処女北部。東北(秋田山形)の方言。
オバジョ梵妻北の一部。
オンベン(オンベンカツギ)御幣(御幣かつぎ)中央。
オッペス(オッペシ)重いものを後ろから押す(漁船を押す海女)海辺。「おしへす(押圧)」のなまり。
カギシルシ自在鍵(じざいかぎ)北部。
カクネルかくれる北部。
カクネゴッコ鬼ごった北部。
カザにおい一般。古語である。
ガサヤブ笹やぶ一般。
ガッカ足駄中央。
ガタクニ大そうに一般。
カタス移す,片づける一般。下総地方でも使われる。
カダチゆうれい北の一部。
カッテマ(カッテンマ)台所一般。「勝手間」の意であろう。
カナコギ稲扱(こ)き南の一部。
ガショギ沢山東の一部。
ガタリ大そう東の一部。
カッタルイだるい一般。
カナヨかげろう(虫)中央。
カバラ桑の実中央。
カヨコうなぎの子北の一部。
ガラガラ鳴子(なるこ)北部。
カンカ下駄北の一部。
カンコみかん中央の一部。
カンゾ愛児北部。
キツネ芸妓北の一部。
ギョーサ行儀北部。
キリバリボー心張棒北の一部。
キンピラおてんば北部。
クサル向かってゆく(喧嘩など)一般。
クネかきね,生け垣海辺。古語である。
クレエン(クレ)(クレン)縁側一般。
クッタイ下さい一般。
クリットすっかり一般。「くるっと」の訛か。
クワバラ桑の実北部。
ケサッパラ今朝南の一部。「朝っぱら」から来たことば。
ケックリ(ケクリ)しゃっくり一般。
ケモチョロ毛虫一般。
ゲンノウ鉄の槌東部,北部。古語「玄能」から。
ケナリー(ケナリガル)うらやましい(うらやましがる)北部。古語である。東下総でも使われる。
ゲンボ独楽(こま)南の一部。
コアメ細雨海辺。「コサメ」(小雨)といわない傾向がある。
コエギ間食(午前)中央。
コージンえくぼ南の一部。
コーセンむぎこがし一般。古語「香煎」にあたる。
ゴーロ土塊(つちくれ)南の一部。
ゴガツアメ梅雨東の一部。
コガキ子供海辺。子供をいやしめていう古語。
ゴケ(ゴケカカ,ゴケオヤジ,ゴケジジ,ゴケババ)男女両方のやもめをいう一般。
コジャ間食(午前午後とも)一般。
コスンボけちんぼ一般。
ゴゼン(ゴセンサマ)僧侶に対する敬称一般。「御前(様)」の意。
コチ(コチカゼ)東風または東北風東の一部,中央の一部。古語である。
コッコーどもり北の一部。
コトリ(コトリババ)産婆中央。「児取り」の意か。
コナサセ産婆東部。
ゴゼンボー瞽女(ごぜ)海辺。
コビル(コビリ)間食(午前)(間食(午後))一般。
コブリ細雨東の一部。「小降り」であろう。
コマザク刻むこと南の一部。
ゴミル握ること東部。
コモリ巫子(みこ)海辺。
コロッタ丸太一般。
コッペイ小しゃくな北部。
コロケこおろぎ南部。
ゴロタ(ゴロタマ)おたまじゃくし東部。
ゴロのど仏一般。
コワイくたびれること一般。おそろしいという意味には使わない。
コワメシ赤飯一般。古語である。「コワ」は「強」の字をあて,かたいご飯の意味である。
コンパ下駄南の一部。
コンボ蕾(つぼみ)中央の一部。
サイキリ庖丁東の一部。
サイバンまないた東の一部。
サガリゴーリ氷柱(つらら)南部。「下がり氷」であろう。
サキ境界海辺。
サクラボボさくらんぼ北部。
サシバ足駄一般。
サシキ田植南部。
サツハサミ紙幣入れ中央。
サナブリ祝膳「スナブリ」ともいう。
サンオキ易者,売卜者北部。「サン」は算木のことだろう。
サンカクにぎりめし一般。にぎりめしの形を示す語。
サンガツマメさやえんどう一般。上総下総地方で広くいわれる。
サンザ養蚕用器台地。
シケ霖雨一般。
ジク東部。「軸」から来たか。
シグレッピくもり日一般。雨模様の日の意か。
ジゴクソバどくだみ一般。
シタカタ囃子方中央。
シメシ(シミス)むつき中央。
シャクヒロ南の一部。
ショシー(ショーシー)恥かしい一般。
ショーシガルはにかむ一般。
ショーゲルおどける南の一部。
ジョーサマ主婦一般。
ジョーボ北の一部。
ジンジー祖父東の一部。
スノバ納屋一般。
ズブクルすねる北の一部。
スヨ東部。
セツナイ(セツネー)貧しい北の一部。
セマッケー狭い一般。
ソソ陰門北部。
ソーレン(ソーレ)葬式台地。
ソノカシ(ソンカシ)そのかわり一般。「ソノカチ」ともいう。
ソウ言う一般。「ソウ言ウ」が縮まったものか。
タカアシ(タガシ)竹馬東の一部。
タカイテ霜柱北の一部。
タマセ出霊北の一部。「たましい(魂)」のなまりか。
タマリ醤油中央の一部。
……………タイ……しなさい一般。ふつう自分の希望をあらわす「タイ」を,相手に対する希望・要求をあらわす用い方。
タマゲラスびっくりさせる一般。「たまげる」の使役用法。
タマンタマごく稀に中央の一部。「たまたま」のなまりであろう。
ダスあたえる一般。「出す」であろう。下総でも広く用いられる。
チッチ南の一部,北の一部。
チャラット平気なこと一般。
チャッケー(チャッコイ)小さい一般。
チンチャイ(チンチャッケー)小さい一般。
チョックラちょっと一般。
チョンコ(チョンチョ)陰門海辺。
チョース(チョーカス)だます一般。古語(鎌倉時代)である。
チョンポ陰茎海辺。
ツキ月経海辺。
ツタッカ籾(もみ)北部。
ツネッキ常衣(ふだん着)東の一部。
ツヅキニ度々一般。
テショ小皿一般。古語「手塩」のつまった語。
テコ(デコ)巡査北部。
デコモン賢い人北部。
トーシ篩(ふるい)中央の一部。
トーライ後妻東部。
トッパドシ失敗北の一部。
トドメ桑の実東部。
トバグチ出入口一般。
トモクシとうもろこし一般。下総でも広く使われる。
ドラモノ(ドラモン)放蕩者一般。
トレ収穫中央の一部。
ドロメンくらげ海辺。
トロロ氷柱一般。
ドンタク日曜北の一部。オランダから来た語。江戸時代長崎で使われた。
トンバ軽率者北部。「トンマ」の転か。
ドンヨリビ曇り日中央の一部。「どんより」(くもった空模様)からつくられた語。
ナゴ(ナゴイヌ,ナゴンコ)女,女児一般。古語。「おなご」の略か。
ナゴラ(ナゴドン)女たち,彼女ら南部。
ナゴッキレ処女中央の一部。
ナダ一般。「なみだ」の略された古語。
ナナー東部。
ナマイキキラス生意気に振舞う中央の一部。
ナンセなにしろ一般。
ナンダカン(アンダカン)なんだか,なんだろうか一般。
ナオンコトなお更北部。「なおのこと」のなまり。
ナジョー(アジョー)どのように北部。この語は東下総でよく使われる。
ナリル実がなる一般。
ナンミョー(ナンミョ)葬式海辺と中央の一部。法華題目の語(南無妙)からきたことば。
ナンヨお手玉一般。
ニカイ(ニケー)天井海辺,中央。
ニゴザケ濁酒中央の一部。「にごりざけ」の一部を略したことば。
ニゴシ白酒中央の一部。
ニワバ農家の広い土間一般。下総でも使われる。
ニュージル忍耐する南部。
ヌカゴメ玄米中央の一部。
ヌカリ(ヌカッペ,ヌカッポ)泥濘(泥濘の場所)東部,北部。
ヌタクタへび北の一部。へびの動態をとらえた語。
ネギリきこり(樵夫)北部。
ネコ(ネゴ)芸妓中央の一部。
ネフタ火葬場南の一部。
ネラベルにらむ海辺。「ニラメル」→「ニラベル」→「ネラベル」となったか。
ノッポ白痴中央の一部。
ノリボー竹馬中央の一部。
ノルマばかもの北の一部,海辺。「ノロマ」のなまりであろう。
ノノー僧侶北の一部。
ノメル(ノマル)埋める(埋まる)一般。
ハゲテンはげあたま一般。
ハダオビふんどし中央の一部。「肌帯」か。
ハダヅケ単衣北部。肌にじかに着る意から。
ハーもう一般。
バーバ中央の一部。
ハッケオキ易者,売卜者一般。「八卦」からきたか。
バッチョ大工一般。古語「番匠(バンジョー)」から来たか。
ハネッコ(ハネキン)おてんば娘一般。
ハマッカゼ東風中央。
ハシャグ乾く,渇(かわ)く北部。
ハンゴロシ牡丹餅中央の一部。
ハラタツムシ芋虫東の一部。
バンドー乞食南の一部。
パータクたたく南部。
ハズスしくじる北の一部。
ヒシテ一日中北部。
ビタゲルあまえる北部。
ヒテポシー(ヒテプシー)まぶしい東の一部,中央の一部。東下総で使われる語。
ヒドコかまど東の一部。「火所」か。
ヒトリグチ私語東の一部。「独り口」であろう。
ヒバリおしゃべり中央。
ヒヤカシおどけもの中央。
ビャク土くずれ中央の一部。
ヒョーゲル(ヒョットコスル)おどける一般。
ヒョーロクダマ弱い気性の者中央。
ヒャル入る一般。
ヒダリーひもじい中央。古語(鎌倉)「ヒダルシ」からきたことば。
フジョウニチ物事の成就しない日一般。「不浄日」か。
フタモジ韮(にら)一般。古語(女房詞)からきた。
フリ雨天一般。「降り」である。
ブウ背負う一般。「おぶう」の略である。
ブックスこわす一般。「ブッコワス」のなまり。
ヘンニナル気がおかしくなる中央。
ヘンネズルねじる北部。「ヒンネジル」のなまり。
ペンペン芸妓中央。芸妓は三味線をひくから。
ホーコンニンオトコ(ホーコンニンオンナ)下男(下女)中央。「奉公人男(女)」か。
ボーコン葬式一般。「亡魂」からきたか。下総でも使われる。
ホールマヤ(ホーロクマヤ)塵捨場中央の一部,北の一部。
ホシクソ流星一般。
ホソビほくろ北部。
ボチ徳利南の一部。
ホッケ(ボッケ)塚または崖一般。ぼけ(歩危)からきた語であろう。
ボテ魚屋中央の一部。古語(江戸)「棒手振(ぼてふり)」からきたか。
ホキル生長する一般。
ホマチゴ私生児南の一部。
ボヤボヤスルむしあつい南部。
ホソッコイ(ホソッケー)細い一般。
ホダ煙草のすいがら北部。
ホトケナンゴはたおりむし南部。
ポンク(ポンツク)ばかもの東部。
マイル死ぬ北の一部。「参る」からきたか。
マテルしまう,始末する。一般。「まとめる」からきたか。
マテヤ(マデヤ)納屋北部。
ミル占う北の一部。
ミルモノ月経中央の一部。
ムゴガル(ムゴイ)かわいがる(かわいい)南部。
ムチャッペナシ(モチャッペナシ)粗末にすること北部。
メメタツボかたつむり北部。
メメツブかたつむり東部,海辺。
メンボ南の一部。
モク(モグ)中央。
モトヤマきこり(樵夫)北部。
モノモライ(モノモラヤ)乞食中央の一部。
モンキ木槿(むくげ)北の一部。
モンモンお化け南の一部。
モヤモヤシイむしあつい中央。
モジク木の実などをもぎとる一般。下総でもよく使われる。
モゲーかわいらしい中央の一部。
ヤオモンヤ八百屋海辺。
ヤスミ間食(午前・午後)一般。
ヤツメシ(ヤツミシ)間食(午後)北部。
ヤッコイ(ヤッケー,ヤーコイ)やわらかい一般。
ヤーブあゆむ北の一部,海辺の一部。下総その他でよく使われる語。
ヤマ一般。下総でも使われる。
ヤマッパラ山腹北部。
ヤマッペタ(ヤマンシタ,ヤマンスソ)山麓北部,中央。
ヤッサカゴ魚を入れるかご海辺。「ヤッサ」のかけごえで運ぶからか。
ヤッカムうらやむ一般。下総などでもよく使われる。
ユキクズレ雪崩(なだれ)南部,西部。「雪崩」の字をそのままに読んだのか。
ユテ手拭一般。「湯手拭」の略か。
ユワカシやかん一般。普通語にあることばでもある。
ヨキ(ヨギ)斧(おの)中央,海辺。「和名抄」にもある古語である。
ヨツメシ(ヨズミシ)間食(午前)北部。「四つ」(午前十時頃)食べるからだろう。
ヨリアイブチ集会の席でいじめる北部。
ヨソルご飯などを盛ること一般。他地方では「よそう」という。
ヨバル呼ぶこと一般。平安時代の和歌にもある古語である。
ヨワクソ臆病もの中央。
ヨワッポ(ヨワッチョコ)臆病もの中央。
ヨワル腐る東部。
ラントー(ラント)墓場一般。むかし墓場のことは「卵塔場」といった。それからきた語であろう。下総その他でも使われる。
リンリキ人力車中央。「人力」のなまり。
ローショー肺病北部。古語「労症」にあたる語。
ワッカ(ワーカ)わずか一般。
ワザントわざと一般。
ワッチャク割り裂く一般。