宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料

宮代町史 民俗編

第八章 社会生活

第三節 イエと同族慣行

二 相続・隠居

 一家の主人が家長権や財産を相続人に譲り渡すことを、「シンショウワタシ」、「相続する」という。家長権には、正月や盆行事を司ることや、寄合などへの出席なども含まれる。相続する時期は、その家によってさまざまであるが跡取りがある程度の年齢に達して、家の主が高齢や病気になったなどで、仕事や家の主人としての役割を遂行できなくなったときにシンショウワタシを行うのが一般的である。また、家の主が亡くなったときに相続することも多い。相続人のことをアトトリ(跡取り)という。時期的には、収穫の終わった秋ごろに行われることが多く、年寄りが跡取りに一、二年は不自由しないほどのお金と土地を譲る場合もあるという。
 主婦権の譲り渡しを「シャクシをワタス」という。この譲渡もシンショウワタシの時に同時に行われるのが、一般的である。
 隠居には、アトトリにシンショウを渡した親の場合と、別棟に老人が引き移った場合をインキョと呼ぶことが多かった。前者の場合の多くは、同一家屋内で寝食共にしていた。後者の場合のインキョとは、経済的にそれが可能で、家族内に事情がある場合に行われることが多かった。