宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料

宮代町史 民俗編

第八章 社会生活

第一節 近隣組織

二 ムラの組織

(一)ムラの役職

 町域ではムラに相当するのが現在ではいわゆる行政区であり、七〇数か所に分かれ、古くからの「ムラ」の様相を今に伝えている。この行政区は基本的にいわゆる民俗社会を形成するムラとして機能している。
 ムラではムラの年間行事や寄合・衛生・共同作業・祭礼などが行われ、これらの行事は現在では区長をはじめさまざまな役員が中心となって実施される。
 地区の役職には、区長・副区長・会計・衛生委員・水利委員・農家組合長・農事組合長・納税組合長・受検組合長などがある。これらは、地区によって兼任であったり、農村部だけに置かれているものもある。また名称が異なるところもある。
 任期は今では一年や二年が多いが、再任を認めている場合が多い。また、区長などの選出方法は話し合いで決めることが多いが、衛生委員・水利委員などのように家の順番に行われる役もある。

図1 大字・字・住居表示地図

 区長は、地区の代表として地区全体の責任者でもある。常会の招集、藻刈りの日取り(藻刈りと堀ざらいは水利委員が決めるところもある)などムラのさまざまなことの決定に当たる。集会所が各地区に設置される昭和四〇年ごろまでは、地区の寄合も区長宅などで行われる場合も多かった。区長は、かつては特定の家で代々世襲される例が多かった。また、地区の中が幾つかの組に分かれている場合には、組ごとの持ち回りでその組の中から区長を選出する場合もある。さらに近年では従来からの世襲制から任期を四年、二年、一年などと短くする傾向にある。区長の役が家々を順番に回ってくることをコヤゴシニマワルというところもある。
 副区長は、区長を補佐する役職であるが置かれない所が多い。地区の中が複数に分かれている場合などは、区長と副区長は異なる地区から選出するのが一般的である。
 会計は地区の会計全般を行う役職であるが、区長が兼務する場合もある。
 衛生委員は春と秋に日を定めて行う消毒や排水溝の清掃をとりしきる。この役職は役場からの委嘱によるもので、順番に各班で選出された。この制度は平成一二年度に廃止された。
 水利委員は、農家だけが関係する委員で一年、二年と任期が定められている。国納ではコヤゴシといって、一軒ずつ順番に行う。また、埼葛用水組合(本郷)、南部用水組合理事(金原)、東部用水組合(姫宮)などの水利関係委員も選出された。
 農家組合長・農事組合長も水利委員と同じように農家が地域の代表として行う委員である。任期が二年などと定められ、交代制で行われている。
 納税組合委員長は納税貯蓄組合法(昭和二六年法律第一四五号)に基づき設立されたものであるが、平成一〇年度に廃止された。
 受検組合長は、出荷米の検査に当たる委員のことである。