宮代町立図書館/宮代町デジタル郷土資料

宮代町史 民俗編

第六章 身のまわりの生活史

第三節 住生活

四 家造り

(三)左官職人

5 工程


6-47 壁作り

 ①下ごしらえ 土をこねる作業を「下ごしらえ」という。この仕事はダンナの親戚などに手間として手伝ってもらう。この作業は土間にドテ(高さ二〇~三〇センチメートルに盛り上げた土で囲ったもの)を作った中に土と藁・水を入れ、裸足で掻き混ぜるものである。このときには裸足でなく鍬を用いることもある。使用する藁は一寸から一寸五分くらいにオシギリで切ったものである。藁を入れるのは土だけでは壁が持たないので、土が割れないようにするためである。
 ○小舞 篠竹を専用の十字の道具(タケワリ(竹割り)という)を使って割り、細い縄で編んで行く。タンポポという丸い細い竹を入れる。クギで止める。
 ○縦の竹 真ん中一本 隅から五~六センチメートル入った所に二本 計三本
 ○横の竹 マワタシ二本 大工さんが柱に入るように穴を作っておく。これに竹をからめていく。
 ②泥だし 下ごしらえした泥を上にいる左官に渡す人を泥だしという。竹の先に二〇×三〇センチメートルの板がついたもので泥をコテ板に渡す。女の人などが行う場合もあるが、慣れないと手や腰が痛くなる。
 ③アラウチ コテ板の上でコテで板返しを行う、このときに掻き混ぜる粘り具合の調節が難しい。土によっても違ってくるので、勘で行う。粘り過ぎてもいけないし、固すぎてもいけない。壁面の上部から下へ向かってコテで順に表面に土を塗ってくる。壁の部分は茶色の土の色になる。この状態で乾いたものを「アラカベ(荒壁)」という。
 ④返し壁 アラウチが終わると、裏面を同じ土で上部から下に塗る。返し壁を塗るときにウラガエシは、表面より柔らかい土で行う。柱と柱の間に横に板を渡したものをヌキといい、この部分が三本(六尺の壁で)ある。ウラガエシを塗るときには、この板の所には土を塗り、畳表のほぐしたものを当てて、コテで塗っていく。
  アラウチが終わって次の作業まではよく乾燥しないとできない。壁の色が白くなると次の工程が行えるが、ダンナの都合で早くやる(結婚式が決まっている時など)場合と時間をかける場合(お金の工面の関係で数年後になる家もある)がある。
  壁が乾燥するには西風の季節がもっともよい。また、寒いと土が凍って落ちてしまうこともあり、左官仕事には秋の気候の方がよい。
 ⑤砂ずり 砂と里土(荒木田土)をフルイで振るったものを混ぜて、藁をもんで柔らかくしたものをねり混ぜたもの。七割は砂である。これで平らにする。ヌキの部分には、畳表をヌキの倍くらいの長さに切って入れる。
 ⑥仕上げ 漆喰で仕上げる。
 このように作業の手順は荒壁塗り、ウラ返し、乾燥期間、砂ずり、乾燥期間をおいて、仕上げ(漆喰)である。
 乾燥がよくないと生乾きで、次の塗りを行うとカビが生じてしまうこともある。乾燥期間を二年くらいあけて作る家もある。